「あーおーみーねー!どこ行った!!」

自分は今鬼のような形相をしていることだろう。
学校でこんな顔をして今後学校生活送りにくくなるのでは、とも思ったけど怒りが収まらない。
学食で大人気の「イベリコ豚と黒毛和牛をふんだんに使った焼きそばパン」、
今日やっとの思いでそれをゲットしたと思ったら青峰に食べられたのだ。

15分前、教室での出来事。
イベリコ豚と黒毛和牛をふんだんに使った焼きそばパンともう一つふつうのコロッケパン、
二つをお昼ごはんにしようと思い、最初にコロッケパンを食べていたときのこと。

、なんだそれうまそうだな」

後ろから声が聞こえたと思った直後、青峰は私の机からひょいとイベリコ豚(以下略)を取ったと思ったら
あっという間に平らげてしまった。
それは本当に一瞬の出来事。

「ちょっとーー!!なんであんたが食べるわけ!?」
「は?お前コロッケパン食ってるじゃねーか。まだ食う気なのかよ?」
「当たり前でしょ!女子高生の食欲なめんじゃないわよ!
 っていうかそれ以前に人の机にあるもの普通食べる!?常識ないの!?」
「うるせーな。食っちまったもんはしょうがねえだろ」

ちっとも悪びれない青峰、私の中で何かが切れる音がした。

「……青峰……」
「なんだよ…。…っ!?」

私の顔を見た瞬間、青峰の顔が引きつった。
まさに鬼の形相になった瞬間である。

「やべっ…」
「待て!逃げるな!」




あれから15分。
さすがに青峰は足が速く、あっという間に見えなくなってしまった。
でもいる場所の見当はついている。あいつはやたら屋上が好きなのだ。
なんとかと煙は高いところが好き、ってことだな、なんて思いながら屋上のドアを開ける。

「青峰くーん、そこにいるのはわかってるのよ」
「………」
「出てこないならこっちから行くわよ」
「うおっ!?」
「あーおーみーねーくーん」

タンクの傍、いつも青峰がいる場所に顔を出すと案の定、青峰はそこにいた。

「さて…わかってるんでしょうね?」
「………」

青峰は今までのような脅えた顔から一転して真剣な顔で立ち上がった。
じっと見つめられ、私は少したじろぐ。

「ちょ、っと。何よ。女の子相手に暴力振る気?」
「……」

まさか青峰はそんなことしないだろう、と思いつつちょっと構えると、青峰の手ではなく顔が違づいてきた。
え、と思ったときにはもう遅い。

「な…にするのよ!」
「キス」
「キス、じゃないわよ!私怒ってるんですけど!」
を黙らすにはこれが一番早いだろ」
「…っ!」

むかつく!と思いつつ結局振り上げたこぶしを下げるしかなくなった。
ああ、こういうところがむかつくんだ。
そう思いながら青峰の隣に腰を下ろした。

「あんたほんとむかつく…」
「どんなに怒ったってはオレに敵わねーよ」














2012.3.24
黒子リクエスト企画悠さんへ!
普段おちゃらけてる青峰が強く出るシーンがすごく好きです





配布元→capriccio


























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