Lの唇と自分のそれを合わせる瞬間が好き。それはキスするのが好きだと言われるけどそうじゃない。Lのキスはキスのようでキスじゃない。どこが違うのか、うまく言えないけどとりあえず何かが違うんだ。
私がLにキスすれば普通のキスと変わらないけど、Lが私にキスするとキスじゃないような気ががある。だけど私はそれが好きで、だから何度もLにキスを求める。


「L、」


Lの隣に座って、名前を呼べば必ずキスしてくれる。柔らかい唇が触れる瞬間、胸がドクンと脈打つ。何度もしてるはずなのに、どうしてこんなにもドキドキするんだろう。


「Lのキスは、何か違うよね」

「違うって、何がですか?」

「んー何って聞かれると困るんだけど、何か他の人とは違うのよ」

「……」


Lは黙って、また私にキスをする。


「私と他の男と比べないでください」


ああまた妬かせてしまった。でもそんなふうに妬かれると嬉しくなったりする自分もいる。だってLのことが好きだから。だからLのキスも好きだと思えるのかな。


「私はLのキスが一番好きよ」


Lはもう一度私にキスをする。私が世界一好きなキス。

















07.01.21





タイトル配布元→capriccio