「ちょ、ちょっとタイム!」 ここは氷室の部屋。 下はベッド。上には氷室。 これは間違いなく、そういうことであるわけで。 「ダメ?」 「ダメっていうか、その、いや、なんか展開に付いて行けないというか…」 頭が沸騰しそうだ。 確かに彼氏のお宅訪問なんてそういう可能性もあるのはわかってたけど まだ付き合って1か月経っていないしまさかこんな展開になるとは…。 「だってほら、私たちまだ付き合って1か月経ってないよね!?」 「1か月経たなきゃダメなの?」 「それはまあ世間の常識というか…」 そう思ったけど、そういえばアメリカ暮らし長かったんだっけ。 そういうところは感覚が違うのかな…。 そもそも人によって違うだろうし…。 「とりあえず、その、私にも心の準備がありまして!」 「……」 そう言ったら氷室は少し残念そうな顔で体を起こした。 安心して私も体を起こす。 「…氷室、怒ってる?」 「怒ってないよ」 「…あの、たぶん日本とアメリカの文化の違いもありまして…」 「そういうものなの?」 氷室はよくわからない、と言った顔をする。 「オレはが好きだよ」 「え?ああ、ありがとう…。…?」 「好きなだけじゃダメなの?」 「だから、ダメって言うか…やっぱり男女の差もあるのかもしれないけどちょっと怖いと言うか…」 「オレがが怖がるようなことすると思う?」 「…思わないけど」 「だろ?」 体をひとつ前に出す氷室。 いやいやいや!ちょっと待って!なんか丸め込まれそうになってるけどなんか違う! 「いやいやだからタイム!!ちょっとタイム!」 「待ったなし」 「えええ!?」 「オレはが好きだよ」 「それはわかりました!すごく嬉しいです!でも待ってください!」 「もオレのこと好きだろう?」 「そりゃ好きだけど、だからちょっと待ってってば!」 「オレはが好きで、もオレのことが好きで、怖がるようなことなんてしない。 以外にこんなことしようなんて思わない。何か問題がある?」 あ、あれ…問題ない、のか…? いやいやいや騙されない!騙されないから! 「」 今まで柔らかかった瞳が真剣になって、私は思わず固まる。 優しくキスされて、また最初のような体勢に。 さっきと状況は一緒なのに、なぜか動けない。 「好きだよ」 耳元でささやかれたその一言で、完全に抵抗できなくなった。 ああ、もう…どうにでもなれ… アダムのリンゴ 11.12.20 黒子アニメ化おめでとう企画 早瀬さんリクエストありがとうございました! 遅くなって申し訳ありません…! 氷室が決して引かないのを書きたかったのです 目的のために手段を選ばない氷室がもっと見たいです… 配布元→capriccio |