リョーガのバカ!アホ!マヌケ! は俺に対して悪口を言いまくる。バカ!とかアホ!とかそういう単純なものから、太平洋のくじらに飲まれてしまえとかそういう意味のわからないものまで、ある意味すげー語彙が豊富だ。 「この無神経男!」 おお、今日は無神経男で来たか。数えたことはねえけど多分バカの次によく言われる言葉な気がする。つーかのケーキを一口食べただけで無神経と言われた上に腹を思いっきり蹴られるのはいくらなんでもおかしくねえか?本当に一口だぞ一口!こんなちょびっとだぞ! 「私がこのケーキをどれだけ楽しみにしてたと思ってるの!?」 「知らねーよ!つーかほんのちょっと食べただけでフツーそこまで怒るか!?」 「この日のために私一週間も甘いものとか油ものとか我慢してたのに!」 それなのに!って言いながら枕とかクッションとかそこらにあるものをどんどん投げつけてくる。基本的に柔らかいものだから痛くはないけど、たまにいきなり辞書とか投げてくるからびびる。いやまあ、そこは俺の反射神経で素早く避けてるけど。 はあ、と一通り投げ終わるとは座ってケーキを食べ始めた。この散らかりまくった部屋どうする気だ。お前、これ自分の部屋なんだから自分で片付けなきゃいけねーことくらいわかってんだろ?俺は片付けねーぞ。だって俺のもん勝手に食ったりするくせに何で俺がちょっと食べただけでここまで怒られなきゃなんねーんだ。理不尽すぎるだろ。 「お前さあ、怒りっぽいのどうにかしろよな」 「リョーガが私を怒らせるようなことをするのが悪い!」 「お前だって俺のもん勝手に取ったりするだろーが」 「私のものは私のもの、リョーガのものは私のものってことで」 「お前、清々しいほどジャイアニズムだな」 ある意味尊敬するって。そういう俺様宣言は俺の特権なんですけど。 「…よし、のものはのもの、俺のものはのものとしよう」 「あれ?なんか随分あっさりしてるね」 「ただし」 の手を引っ張って、無理矢理キスをする。口の周りに生クリームがついてるけど気にしない。 「は、俺のものな」 俺の下でが喚くけど、無視をする。だって、俺のものがのものなら、交換条件。 のものはのもの、俺のものはのもの。自身は、俺のもの。 |