去年の今日、意を決して同じクラスになった時から片思いをしていた白石に告白をした。 当時の私と白石は仲がいいとは言えなかったから、玉砕覚悟だったけれど奇跡的にOKをもらえて、 帰りにどこか行こうという話になって、学校近くのプラネタリウムに寄った。 そして今年、せっかくなので今日もあのときと同じプラネタリウムに行くことになった。 「久しぶりやね」 「せやな」 ここに来るのは一年ぶり。 白石が忙しくて来られなかった、というのもあるけれど、そもそも私も白石もプラネタリウム自体そんなに好きではなかったらしい。 一年前は二人とも緊張していたから、思わず大して興味のないプラネタリウムに行くことになった。 「懐かしいなー。あのとき二人ともめっちゃ緊張してたよねえ」 「もうどこ行ったらええかわからんからそれっぽいプラネタリウムって言ってなあ」 「二人とも大して興味なかったなんてねえ」 二人で笑いながらプラネタリウムに入った。 プラネタリウムは二人とも特別好きなわけではないけれど、やっぱり初めてのデート先で特別な思い入れがある。 まあ嫌いなわけではないし、一年前は緊張しっぱなしだったから何も覚えてないけど、今回は楽しめるだろう。 「ほら、こっちの席行こや」 「はーい」 平日の夕方、プラネタリウムに人は多くない。 見やすい席を選んで白石の隣に座ると、上映はすぐに始まった。 (きれいだなあ) ぼんやりとそう思いながらスクリーンに映し出された星空を見る。 一年前は緊張しすぎてプログラムの内容なんて何も覚えてなかったけど、今回はちゃんと頭に入ってくる。 あのときはどうしたっけ、今回と同じように白石が私の右に座っていて、 ああそうだ、私が右の肘掛に手を置いて、白石が左の肘掛に手を置いて、初めて手をつないだ。 「………」 横を見ればあのときと同じように白石の手は肘掛に置いてあって、私もそこに手を置いた。 あのときのドキドキを思い出して、なんだか照れくさくなる。 そんなふうに思っていたらあっという間に上映時間が終わって、周りが明るくなる。 席を立っても、私と白石は手をつないだままだった。 「も覚えてたんやなあ」 「一年前のこと?」 「せや。左手ぶらりんのままやったら俺今頃泣いてたで」 「忘れるわけないやん」 あのときから私はいつも白石の左側に、白石は私の右側に立つようになった。 私の右手と白石の左手が手錠でつながれたように、離れなくなったんだよ。 「」 「ん?」 「今年もずっと手つないでいようなあ」 「…うん」 一番星の煌めき 11.02.19 配布元→capriccio |