「清田、黒板消して」
「おう」
に言われて通り黒板消しを持って黒板に書かれた数式を見た
今日も数学全然わかんなかったなぁと思いながら上から順番に消していく
「ちょっと、もっと綺麗に消しなよ」
「面倒じゃん」
「日誌書くほうが面倒なの!いいからちゃんと消す!」
「へいへい」
今日はとオレが日直だ
いつもはこんなに時間掛かったりしねぇのに、担任がやたらと仕事を押し付けてきたせいで、部活には遅れまくりだ
「部活行きてーな…」
「行きたいならちゃっちゃとやる!」
「おーう」
そうは言ってもやっぱり面倒だ
あーあ、監督怒ってるかな、日直やってて遅れたんだから文句は言われねえだろうけど
ただオレ自身が早く行きたいと思ってる
「ねぇ清田」
「ああ?」
やべ、不機嫌な答え方だったな、実際不機嫌だけど
「あのさ」
「何だよ」
「キスしない?」
ゴトン、と音を立てて黒板消しが落ちた
「お、おま、何言ってんだ!?」
「だから、キスしない?って」
「だー!!ちょっと待て!おかしいぞ!」
「何が?」
「普通そういうのって彼氏とかとするもんだろ!」
オレとは仲はいいが別に付き合ってるわけじゃない
とてもじゃないがキスなんてするような関係じゃないはずだ
「私は清田とならいいよ」
「いや、お前な、ちょっと落ち着けよ」
「落ち着いてるけど」
「あのな、オレとは付き合ってないよな?」
「そうだね」
「じゃあキスするのおかしいだろ」
「じゃあ付き合う?」
「はあ!?」
ダメだ、もともと考えるのが苦手なのに、思考回路がショートしそうだ
何言ってんだ、、熱でもあるんじゃねぇの?
「付き合うってお前、何言ってんだ」
「だから、私清田となら付き合ってもいいよ」
「ちょ、待て」
「で、清田はどうなの?」
はずっと日誌に向かっていた目線をこっちに向けた
「私とは付き合いたくない?」
「いや、そういう問題じゃなくて、好き合ってるやつらが付き合うもんだろ?」
「うん。私清田のこと好きだし」
「はああ!?」
もうだめだ、オレ何にも考えらんねぇ
が何考えてんのかもわかりゃしねぇ
「清田私のこと好きじゃない?」
「いや、好きじゃないって言うか、そ、そういうふうに考えたことがないっていうか、なんだ」
やべぇべらべら喋り過ぎてる
しかも噛みまくってる、動揺してるとかそんなレベルじゃねぇよこれ
「じゃあ付き合おうよ」
「お前、オレの話聞いてねぇのか!?」
「聞いてたよ。そういうふうに見たことないんでしょ?」
「お、おう」
「だったら、意識すれば見れるかもしれないじゃん」
はニコッと笑って、いや可愛く笑うってんじゃなくて面白がるように笑って言う
「私清田のこと落とす自信あるし」
日誌終わり、と言っては日誌をオレに渡して教室を出て行った
やべぇ、明日からあいつをいつも通りに見れるだろうか
07.01.21
久々にヒロインが押してます
頑張れ信長!
タイトル配布元→capriccio