「白石、キスして」



     そう言えば白石はいつだってキスしてくれる

     落ち着かせるような、優しいキス

     私からキスしてと言うときは、いつも不安になってるときだということを白石は知ってるから


     「


     白石の私の名前を呼ぶ声が好き

     だけど他の女の子の名前を呼ぶのは嫌い

     仕方ないことないことだとわかっているけど、それでも嫌い


     白石はとても人気があって、だから私はすごく不安になる

     いつか、白石がどっかに行っちゃうんじゃないかって


     「俺は、どこにも行かへんで」

     「ありがとう」


     好きだから信じなきゃいけない

     でも、好きだからこそ不安になる

     私は弱いから、不安に押しつぶされそうになる


     だから、もう一度私にキスをして



















    私は強くないので
    07.02.08



タイトル配布元→capriccio