ってさ、結局花宮くんと付き合ってるの?」

友人の一言に、私は思わず詰まってしまった。
私と花宮は仲がいい。
休みの日に映画に行ったり、キスをしたり、下世話な話セックスもした。
じゃあ、付き合ってるかと言えば、どうなんだろう。


「ねえ、花宮。私たちってどういう関係なの?」

花宮の部屋で、雑誌を読む彼に向ってそう聞いてみた。

「なんだよいきなり」
「いやさあ、友達に聞かれちゃって」

私は花宮に好きだと言われたことも付き合ってほしいと言われたこともない。
だからと言って、私は花宮以外とこんなことしないし、多分花宮も私以外とはしてないだろう。
結局、どういう関係なんだろう、私たちって。

「ねえ知ってる?学生のうちって「付き合ってください」「はい」のやり取りがないと付き合ったことにならないんだって」
「知るかよ」
「普通、そういうのって男から言うんじゃないの?」
「うるせえよ」

花宮は私を引き寄せて唇で唇を塞ぐ。
私がべらべらしゃべると、いつもこう。

「…苦しい」
「お前がうるせえからだろ」
「死んだらどうするの?」

こんな短いキスで死ぬわけがないけど。

「オレも一緒に死んでやるよ」

それは、好きだとか、付き合ってとか、そんなことよりずっと甘い、
私だけが知ってる愛の言葉。













指折り数えたキスの数だけ
13.01.12





配布元→capriccio









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