「…暑い…」
「ね…」
部活後、学校からの帰り道、今日は辰也の家にお邪魔している。
今日はまた一段と暑い。
じっとしてても汗が落ちてくるぐらいだ。
「アイス食べよ!溶けちゃう」
袋からアイスを二つ出す。
辰也と帰っている最中に買ってきたものだ。
「はいつも同じのだね」
「うん。だっておいしいもん!」
私はいつもラブポーションサーティワンを頼んでいる。
初めて食べたときから、ずっと夢中だ。
「辰也のは…パパココナッツだっけ」
「うん。新しいやつ」
「辰也はいつも新しいの頼むね」
「せっかくだし、がいつもラブポーション頼むだろ?おいしいの知ってるからさ」
「うん」
「オレはおいしいかわらかないものも挑戦しやすいんだよね」
私たちはサーティワンによく寄るけど、大抵シングルを一つずつ頼んで持ち帰って、半分こにしている。
確かに半分おいしいものだとわかっていれば、もう一つは違うものも挑戦しやすいかな。
「でもこういうとこも性格出るね。ずっと同じものを頼むは一途だし」
辰也はアイスを一口食べてそう言う。
「そう?」
「オレに一途じゃないの?」
そう聞かれてぽっと顔が赤くなった。
そりゃ私は辰也に一途に決まっているんだけど、でもそうなると辰也はどうなるんだ。
「でも、そうしたら辰也は浮気性になっちゃうよ」
ずっと同じものを食べる私が一途なら、いつも違うものを食べる辰也は浮気性になっちゃうじゃないか。
辰也が浮気するなんて思ってないけど、なんか嫌だなと思って苦い声で言う。
「オレは新し物好きだから」
辰也は妖しく笑うと、私の首筋にキスをした。
アイスを食べたばかりだから、冷たい。
「ひゃっ!?」
首筋に急に冷たいもの(辰也の唇だけど)を当てられて変な声が出る。
そこを抑えると、辰也は楽しそうな顔を出した。
「そういう顔」
「へ…?」
「オレはの新しい顔が好きなんだ」
辰也は私にキスをする。
アイスの味が、口の中に広がる。
「た、辰也…」
「ん?」
辰也は指でラブポーションを掬うと、私の唇に塗るように押し付けた。
「…何する気?」
嫌な予感がする。
恐る恐る聞いてみると、辰也はまた笑った。
「今までしたことないようなこと」
ラブポーション
14.08.12
10周年アイス企画!
最初は普通にアイス半分こにするほのぼの話の予定がなぜか唐突にアイスプレイの話に
感想もらえるとやる気出ます!
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