今日の夜、辰也の家にご両親はいないらしい。
なかなかないこのチャンスを利用して、辰也の家にお泊まりだ。
「お、お邪魔します」
「どうぞ」
ドキドキしながら辰也の家に入る。
辰也の家には数えきれないぐらい来ているけど、泊まるのは初めてだから緊張する。
「え、えーと」
「?」
「ちょっと早いけどご飯にする?」
今日も部活をしてきたから、もう夕飯を食べてもおかしくない時間だ。
緊張してしまって仕方ないので、とりあえず何か話題をつなぐためにもそう切り出す。
「…辰也?」
「……」
辰也はちょっと考える仕草をする。
まだお腹空いてないのかな?
「…今の、あれみたいだ」
「あれ?」
「ご飯にする?お風呂にする?それとも私?ってやつ」
「!」
辰也にそう言われて、カッと顔が赤くなる。
「ば、バカ!やらないからね?!ご飯!準備するから!」
「オレはが」
「ご飯!用意するからね!!」
「はは、はいはい。オレは着替えてお風呂の用意してくるよ」
『お風呂』という単語にドキッとする。
いや、泊まりに来たんだから当然入らなくちゃいけないんだけど…。
「と、とりあえず、ご飯用意しよう…」
事前に辰也と相談してチャーハンを作ろうと決めていた。
持ってきたエプロンをして、買ってきた材料を取り出す。
うまくできるかな。
*
「、どう?」
お風呂掃除を終えた辰也がやってくる。
「今野菜洗い終わったところ。皮むき手伝ってくれる?」
「……」
そう呼びかけるけど、辰也は目を丸くして棒立ちになっている。
「辰也?」
「エプロンだ」
辰也は嬉しそうにこちらに来て、私のエプロンの裾を掴んだ。
「うん。料理するならつけないと」
「可愛い」
「わっ」
辰也は後ろから私を抱きしめる。
頬を私の頭に摺り寄せる。
「辰也、ちょっと…」
このままじゃご飯を作るどころじゃない。
辰也に文句を言おうとすると、その口は辰也の唇によって塞がれた。
「ん…っ」
歯列を割って、辰也の舌が口内に侵入してくる。
これはまずい。
このままじゃご飯でもお風呂でもなく、まさに『私』になってしまう。
「ふ…」
反論しようとしても、辰也がキスを止めないから何も言えない。
時々漏れる息がやたらと官能的で、私まで変な気分になってきた。
「た、辰也…はあ…っ」
さすがに息がもたなくなったところで、辰也はようやく解放してくれる。
「かわいい」
「も…そうじゃなくて!ご飯が」
「後でいいよ」
辰也は私の言葉をきっぱりと遮ると、エプロンの下に手をもぐらせて、ブラウスのボタンを一つずつ外していく。
その手を振り払おうとしても、辰也は器用に左手でその手を遮る。
「辰也…っ、だから」
「せっかくのいいシチュエーションなのに、オレが放っておくわけないだろう?」
辰也は私のブラジャーのフロントホックを外すと、エプロンを脱がさないよう器用にブラウスとブラジャーと床に落とした。
そこまでされれば、私も辰也の意図に気付く。
「…変態…っ」
「そう?ロマンだよ」
「ひゃ…」
耳元で囁きながら、大きな手で私の胸を揉み始める。
我慢していても、口から声が漏れてしまう。
「あ、ダメ!」
辰也は私のスカートのホックに手を掛ける。
制止の声を上げても、辰也は意に介さない。
「あっ!」
スカートがふわりと床に落ちる。
辰也はショーツに指をもぐらせて、私の秘部に指を這わせる。
「あっ、や…っ」
「こんなに濡れてたら、こっちも脱いだほうがいいかな?」
「やっ、だめ!」
下着までも脱がされそうになって、ショーツにかけられている辰也の手を自分の手で抑えた。
だけど、辰也が私の耳を甘噛みするから、力が抜けて結局制止は無駄な足掻きとなった。
辰也はずるい。私の弱いところを、全部知っている。
「最高」
「…最低っ」
下着も脱がされて、私が着ているのはエプロン一枚になった。
所謂裸エプロンという格好だ。
辰也は後ろから私を抱きかかえて、上から覗き込むようにして私をじっと見つめる。
「見ないで…っ」
「見ないともったいないだろ」
「あっ!」
辰也は再び私の秘部に触れる。
するりと滑るように、人差し指が私の中に入ってくる。
「あっ、あっ、やあ…っ」
「、可愛いよ」
「あっ!」
右手でくちゅくちゅと中をかき回されて、左手はエプロンの上から胸を愛撫する。
耳元で囁かれて、上から下まで舐めるように視姦されて、全身で犯されているようだ。
「あっ、辰也…っ」
指をもう一本増やされて、また秘部から愛液が溢れ出すのがわかる。
太ももを伝う感触すら、快感の要因になってしまう。
「んっ、あっ、やあ…っ」
快感が頂点に近付いているのがわかって、ぎゅっと足で辰也の手を挟んでしまう。
「…そんなに欲しい?」
「あっ、ちが…っ」
辰也は指を引き抜いてしまう。
口ではああ言ったけど、本当は欲しくて欲しくてたまらない。
急に体への刺激がなくなって、もどかしくて体を捩る。
「」
「…辰也」
「手、ついて」
辰也の指示通り、シンクの縁に手をつく。
挿れてくれるのかと思っていたのに、辰也は私をじっと見つめるだけで何もしてこない。
「た、辰也」
「もっとこっち」
「え、や、やだ!」
辰也は私の腰を持つと、ぐいと自分のほうに引き寄せた。
辰也にお尻を突き出すような形になって、頭がかーっと熱くなる。
「嫌?」
「だ、だって恥ずかしいよ…」
「だからいいんだろ」
「…っ」
普通に立とうとするけど、辰也ががっしり私の腰を掴んでいるからできない。
くちゅ、と音を立てて辰也が反り立つ自身を私の秘部にあてがう。
「ん、ああ…っ」
「…っ」
辰也が私の中に入ってくる。
辰也も急いているのか、一気に最奥まで突いてきて、すぐに意識が飛びそうになるのを必死に堪えた。
「あっ、あ!」
大体最初はゆっくり焦らすように動くのに、今日は最初から激しい。
足ががくがくしてきて、体を支えていられなくなりそうだ。
「あっ、辰也…っ」
「…」
「…っ」
辰也は私の背中にぴたりとくっつく。
耳元で名前を呼ばれると、余計に感じてしまう。
「辰也…っ、あっ!」
「は…っ、最高だ」
辰也は左手でエプロンをなぞる。
せっかく忘れかけていたこの格好への羞恥が蘇ってきてしまう。
「…っ」
「好きだよ、」
このポーズに、エプロンだけという格好。
恥ずかしくてたまらないはずなのに、恥ずかしいと思うたびに、感じてしまう。
辰也のこと変態なんて言ったけど、私も人のこと言えない。
「あっ、あ…っ、わ、わたしも…」
「…っ」
「好き、辰也、大好き…」
快感で飛びそうになる意識の中、必死に後ろを向いて辰也の顔を見る。
辰也の顔が見たい。好きな人の顔が見たい。
「ん…っ」
「ふ…」
深い深いキスをする。
心も体も全部繋がっているような気がして嬉しくなる。
「あ、あっ!も…っ」
「…っ」
「あっ、いっちゃう…っ」
辰也が最奥を突いた瞬間、頭が真っ白になった。
*
「辰也のバカ!」
服を着ながら辰也を罵る。
バカ!辰也のバカ!
「このエプロン気に入ってたのに…」
お気に入りのエプロンを持ってきたのに、いろんなものがついてしまっている。
「洗えば使えるんじゃないか?」
「そういう問題じゃない!」
確かに洗えば落ちるだろうけど、そうじゃなくて…こう、気分的な問題だ。
もう家で家族の前じゃ使えない。
「じゃあこれはオレの前専用だ」
辰也はキラキラした笑顔で言ってくる。
もうだめだ。辰也には何を言っても通用しない。
「、また一緒にご飯作ろうね」
にっこりとした笑顔で言ってくる辰也を見て、私は諦めの境地に達した。
もう、怒ってもしょうがないや…。
氷室くんと裸エプロン
14.10.05
氷室くんと○○シリーズ第一弾
感想もらえるとやる気出ます!
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