「あら、これ綺麗ね」

玲央とショッピングをしていると、玲央がウェディングドレスを扱ったお店の前で足を止めた。
いくつかのウェディングドレスがショーウィンドウに飾られている。

「あ、本当だ」
「煌びやかなのもいいけど、やっぱりウェディングドレスはシンプルなのが素敵ね。ミニスカートなんて論外よ」

玲央は持論を語りだす。
その考えは私も賛成なんだけど。
…玲央的に、それは「自分が着る」という前提の話なんだろうか。

「あら、こっちのも可愛いわ」

いや、玲央も私と付き合ってるんだから、完全にソッチなわけじゃないんだろうけど。
でも、一緒に街を歩いている男の人を見てと「やだ、あの人素敵じゃない?」と言って来たり。
可愛い服を見かけるとすごくテンションを上げてみせたり。

不安になるというほどではないけど、ときどき、玲央って本当はどうなんだろう…と気になることがある。

「そうね、玲央に似合いそうね…」

そう呟くと、玲央にデコピンされた。
その後、両手でぎゅっと頬を挟まれる。

「いやねえっ、もう。アナタ私のことなんだと思ってるのよ」
「え…」
「私はアナタにこれを着てほしいって言ってるのよっ!」

玲央の言葉に目を丸くさせる。

「それも『いつかそんな日が』っていう話じゃないわよ」
「れ、玲央」
「もう、ニブちんなんだから!」

玲央はぷうっと頬を膨らませる。
私の頬はかあっと赤くなった。

「玲央、私」
「うん」
「…玲央はこういうのが似合うと思う!」

私はショーウィンドウの端にあるタキシードを指さした。

「さすがね。センスがいいわ」
「…そう?」
「結婚式はやっぱりドレスよね。白無垢のあなたもきっと素敵だけど」
「ありがと。玲央はきっとタキシード似合うよ。背が高くてスタイルいいし」
「あらやだ。褒めても何も出ないわよ?」













この愛に染まって下さい
14.07.08

10周年企画で初レオ姉!




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タイトル配布元→capriccio