「土方さんは真選組がなくなったらどうするんですか?」 言った後でなんてバカなことを聞いたんだろうと後悔した。土方さんが私を変な目で見てる。無理もない。 「どういう意味だ」 土方さんは変な目から鋭い目に変わった。 どういう意味も何も、ただ思っただけで、特に意味はないのだけれど。 「…えっと…」 「もし、幕府が倒れて、真選組が必要じゃなくなったら、俺は」 必要じゃなくなったら、土方さんは。その続きは聞かなくてもわかる。 土方さんが生きるのは戦場だけで、それ以外の場所で生きる気なんてないのだろう。 「…土方さんには、戦が似合いますもんね」 「お前に戦は似合わねぇな」 そんなことわかってる。 私なんかが戦場に出たらそれこそ一瞬のうちに死ぬだろう。 「お前には花とか、そういう綺麗なもんがお似合いなんだよ」 そう言われても、嬉しくなんかなかった。だって私に似合うのは花で、土方さんに似合うのは戦。血と刀。まるで正反対のもの。引き合わないもの。私たちはいつか道を分かつときが来るのだろう。だけど、私はそれでも 「ずっと、土方さんが好きです」 06.12.15 両思いのつもりで書いたけど片思いでもいいかもなぁ |