「あれ?土方さんは?」
「トシは今日は朝から仕事だぞ」
「そうですか…」
「仕事熱心だよな〜あいつ」

”局長の俺がこんなにのんびりしてんのにな〜”なんて近藤さんは言うけど、本当は近藤さんだっていつも忙しく仕事してる。だけど、土方さんは副長の仕事はいろいろあるって言って、夜も書き物をしてたりしていつも大変そう。でもそれが土方さんにとって苦なのかはわからない。だって仕事してるときの土方さんが、一番輝いてるような気がする。

「ん?どうしたちゃん。考え込んじゃって」
「あ、いや…土方さんって”私と仕事、どっちが大事なの?”って聞いたら絶対仕事って答えるよなぁって…」
「あー…、あ、いや、そんなことはないんじゃないか?」
「いいですよ、気使わなくて」
「うーん…俺は絶対お妙さんって答えるけどな!」

近藤さんはそう言って笑ってる。ああ、こんな人が恋人だったらこんな寂しい思いをすることなんてないのかな。

「お、トシが帰ってきた」
「え?」
「もう仕事終わったんじゃないか?朝早かったんだから」
「そっか……」
「じゃ、お邪魔虫は消えるよ」

そう言って近藤さんは自分の部屋に行ってしまった。

「あれ、一人か」
「土方さん、お帰りなさい」
「ああ、ただいま」

土方さんは私の隣に座って、私が注いだお茶を飲んだ。

「土方さん…」
「ん?何だ?」
「あ、いや…何でもないです」
「何だよ、はっきりしねぇな」

だって、聞きたいけど聞けませんよ。”私と仕事どっちが大事ですか?”なんて。そんなこと聞いたらショック受けるだけだし、なにより呆れられそう。ええと、なんかもっと違う聞き方ないかな。

「あの…」
「ああ?」
「土方さんの大切なものって何ですか?」
「はぁ?」
「いや、ちょっと気になって…」
「そんなもん、煙草とマヨネーズと仕事だよ」

……まぁ、予想はしてましたけど、マヨネーズにも勝てないって、なんかやっぱり寂しい…。

?」

土方さんは落ち込んでる私を見て、私の頭に手を置く。

「…土方さん?」
「…なぁ、お前は物じゃねぇだろ?」

まるで心を見透かされたようで、思わず顔を赤くする。この人は私のことをなんでもわかってるんじゃないだろうか。俯きながらそんなことを考えていると土方さんはキスをしてきた。

「土方さ…」
「お前のことも大切に決まってるだろ」

土方さんに抱きしめられて、ああ、私愛されてるんだなぁって実感する。

「だけど、土方さん、仕事と私だったら仕事のほうが大切ですよね」
「……」
「でも、それでもいいんです」
「あ?」
「だって、仕事が一番大切な土方さんが好きですから」























06.05.31
土方さんに限らず何かに打ち込む姿はかっこいいよなぁ と
そんな姿に惚れたのだからやっぱり自分のことを大切と言われないのは寂しいけど
仕事が一番大切なあなたが好きです みたいな!