「土方さん、こんにちは」 「………」 仕事が一段落し、外の空気でも吸おうと屯所の外に出たら、目の前にの顔が飛び込んできた。 「久しぶりですね!」 「毎日のように押しかけてきてるくせに何言ってんだ…」 「そっちこそ何言ってんですか。昨日は会ってませんよ。だってせっかく来たのに土方さんいなかったから」 「変わんなーだろそれ」 は毎日のように俺に会いに屯所にやってくる。 見回り中に街中で絡まれてるのを助けたのが出会いだったが、そのときから「一目惚れしました!」とかわけのわからんことを言ってここに来るようになった。 今では近藤さんにすっかり気に入られ、ほかの連中とも馴染んでしまっている。 「頭抑えてどうしたんですか?」 「痛いんだよ」 「仕事のしすぎじゃないんですか?よかったらお薬持って来ますよ」 「どう考えてもお前のせいだろ。薬で治るか」 「それってつまり私に恋してるってことですか?」 「なんでそうなるんだよ!本当おめでたい頭だな!!」 そう言うとはくすくすと笑った。 なんでこの状況で笑えるんだ。本当にこいつの頭の構造が知りたくなってきた。 「つーかお前いい加減帰れ」 「嫌ですよ。だってもっと土方さんとお話していたいです」 「こっちは迷惑だっつーの」 はそう言っても絶対に帰らない。 迷惑なんて言われたら普通女は傷つくんだろうが、こいつがへこたれないのは、多分わかってるからだ。 こいつが迷惑だと言われても何度でもここに来るのは、 「土方さんは、本当に迷惑と思ってたら何があっても私と顔を合わせたりしないでしょう?」 さっきと同じように笑いながらは言った。 そんなんじゃねー、と否定するつもりが言葉は喉で止まってる。 「私、ちゃんとわかってますから」 「…好きにしろ」 多分、これからもは毎日ここに来て、俺はに迷惑だと言う。 そんなやり取りも、まあいいんじゃないか。 そんな毎日を繰り返す 09.08.19 |