恋愛を一口に言ってしまうけど恋と愛って全然違うものだと思う。

「私はね、恋って感情的なものだと思うの。だって恋をしてるときって周りが見えなくなるでしょ?それで、感情に流されるまま行動しちゃったりしてさ。で、愛はね、理性的なの。愛してるっていうと、恋をしてるときと違ってちゃんと周りが見えてる感じがするし。だけど、どっちのほうがが強い想いとか、そういうのはないんだよ。恋も愛も、どっちも最上級の想い」

私が必死に主張したにも関わらず、そうですか、とLはさらりと流してしまった。
一応これでも恋人同士なんだから、相手の恋愛談義くらい真面目に聞いてくれてもいいんじゃないの?

「ちゃんと聞いてる?」
「聞いてますよ。恋は感情的で愛は理性的なんですよね」
「だったら生返事するのやめてよね」
「そう聞こえましたか、すみません。これでも真面目に聞いてるつもりなんですよ」

それなりの期間一緒にはいるけれど相変わらずLはわからない。
だって、角砂糖の数を並べながら聞くのが真面目って言うんだから、やっぱり私とは感覚が違うみたい。

「ならLはさっきの話、どう思う?」
「…人の感情に関しての話ですからね。私にはよくわかりません。辞書等にも、違いが書いてあるものもあれば同じものだと書いてあるものもありますから」
「あ、そう…」
「それに愛と恋が違うとか違わないとか、あまり興味がありません。感情に名前を付けるのは難しいです」
「そう?」
「ええ、私はのこと好きですけど、それが愛なのか恋なのかわかりませんから」

だってそうでしょう?Lはそう言いながら並べた角砂糖を一つ私に渡した。

「…ま、どっちなのかは、わからないかもね」
「でしょう?重要なのは、好きと思うところですよ」

私はLが好きで、Lは私が好きで、それが愛だろうと恋だろうと、結果は何も変わらないなら、あまり気にすることはないのかもしれない。












恋とはどんなものかしら
08.02.10