「Lならきっと小説とか映画の主人公になれると思うよ」


はいつも突拍子もないことを言うけれど今回のは本当に突然だった。
なぜスパゲッティを食べていた後にそのような思考に辿り着くのか。私には理解不能だ。

「だってLって頭いいでしょ。それにいろんな部分が常人離れしてるし」
「…それだけで主人公になれますかね」
「大丈夫よ。妙なカリスマ性もあるから」

何だったら私が作ってあげるよ!とは笑った。
小説より映画のほうが楽しいよね、だってLはその姿が表現されないと魅力半減だわ、などと勝手なことを言い連ねるは、何とも楽しそうだ。

「…何かL、乗り気じゃなさそうね」
「そんなことないですよ」
「じゃあLからも何かいい案出してよ」
「そうは言われても、特にないです。私が下手なことを言うよりが一人で考えたほうが面白いものになりそうですから」

の発想はいつも突拍子がないから、きっとこの構想も突拍子もない面白いものになるだろう(にしてみれば私の発想のほうが突拍子もないらしいけれど)
本当には見ていて飽きない。いつまでも見ていたい。

「…ひとつだけいいですか?」
「何?」
「映画のエンドロールには、必ずの名前を入れてくださいね」
「?そりゃ入るよ。だって私が作るんだもの」
「そういう意味ではなくて。もうひとりの主役とか、そういったところに。
 私の人生に於いて、は絶対に欠かせない人間なんですから」

そう言ったら、はいきなり私に抱きついてきた。

「映画の構想はもういいんですか?」
「そんなもの、どうだっていいわ」

本当にの考えてることはよくわからない。いわば変わり者。
そんなをエンドロールに乗せたいと思う私も、相当な変わり者なんだろうか。












エンドロールに君の名前を
08.08.03