「私が死んでも、他の人を好きにならないでくださいね」



L、そんなことを言わなくても大丈夫です。心配しないでください。私があなた以外の人を好きになれるはずがないでしょう。ずっとずっと、あなただけを見てきたこと、知っているでしょう。
あのとき私が返した言葉を覚えていますか。私も、「私が死んでも、他の人を好きにならないでくださいね」と言いました。あなたは笑いながら「何を言ってるんですか」と言いましたね。笑ったのはそんなのは当たり前という意味だったのか、私が先に死ぬことはないと思っていたからなのか。今となってはもうあなたの真意はわからないけれど、前者であってほしいと思う私はおかしいでしょうか。
愛した人の幸せを願わないのはいけないことでしょうか。もし私があなたより先に死んでいたら、きっと私はあなたの幸せは願えなかったでしょう。あなたが私以外の人を好きになるなんて、そんなことは耐えられません。一生不幸を背負っててもいい、あなたには私だけを好きでいてほしいと思いました。あなたはどうですか。今、何を考えていますか。私があなた以外の人と幸せになることを望んでいますか。いいえ、きっとあなたはそんなことは思わないでしょう。あなたも私と同じですから。とても嫉妬深くて、子供じみた独占欲を持っている。
私はこれからもあなた以外の人を好きになることはありません。ほら、今だってあなたのこと以外考えられない。目に見えるものすべて、モノクロにしか感じない。あなたがいないだけで、こんなにも世界は変わる。
L、愛しています。昔も今も、これからも。けれどあなたのもとへはまだまだ行けません。あなたがいない不幸を感じて、あなたの重みを感じて、あなたへの愛を確認して。私があなたのところへ行くのはそれからです。それまで私は、あなたを思いながら、愛しながら生きていきます。












生きる

06.11.03