青い詩
「私はのこととても好きですよ」
「…そういうのをさらっと言うの、やめてください」
「本当のことですから」
「そういう問題じゃありません」
Lはこうやっていきなり可愛いだとか好きだとか言ってくる
悪い気はしないのだけど、というか嬉しいけれど
「すごく恥ずかしいんですけど」
「でも本当のことです」
「恥ずかしいものは恥ずかしいです」
好きと言われると顔が赤くなるのを感じて
一瞬思考回路が止まって、どうしようもなくなる
「は私のこと好きですか?」
「だからどうしてそういう…」
「私も好きと言われればの恥ずかしい気持ちがわかるかもしれません」
「多分わかりません。言う私のほうがきっと恥ずかしいです」
「そうですか?」
「そうです」
「でも私も言われてみたいです」
Lは指をくわえて(つまりいつものあのポーズで)こっちを見ている
「嫌です」
「酷いです。は私のこと好きじゃないんですか?」
「…そんなの知ってるでしょう」
「知ってますけど言われたいです」
「知ってるならいいじゃないですか」
「でもやはりちゃんと言ってくれないと寂しいです」
さっきよりLの顔が近くなっている
しかも言わないと泣き出すぞと言った顔で
「え、L」
「はい」
「…月が、青いですね」
Lがもともと丸い目をもっと丸くする
「は詩人ですね」
「…もう言ったからいいでしょう」
「」
Lは私の腕を引っ張って、耳元で囁く
「月が、とても青いです」
06.11.07
タイトルは”あおいうた”と読んでいただけると幸い あおいしでもいいですけど
「とても月が青いですね」はかの有名な漱石のI love you.の和訳です
実際こんなこと言われたら何のことかわからないよなぁ…