テレビに流れる芸能ニュース。あの俳優と女優が電撃結婚!女優は妊娠3ヶ月だそうです。あらあら、またできちゃった結婚ですか。


「もう日本も終わりかな…」
「はあ?」

幼馴染の健司の隣で体育座りをしながらそのニュースを冷静に見ていた。一方健司は全く興味がありませんというオーラを出しながらみかんを食べています。私のみかんなのに勝手に食べやがって。私も一つ手にとって食べ始めた。

「だってさあ、今やできちゃった結婚が当たり前になってるじゃない?芸能人が結婚するっていうと大体妊娠してるし、してないときは『妊娠はしてない』って新聞とか書くんだよ?ありえなくない?子どもっていうのは結婚してからできるものなのに!」
「女子高生はパンツ見えてても気にしねえしな」
「は?」
「お前のことだよ」
「ぎゃ!」

体育座りをしつつも一応スカートはおさえておいたんだけど、うっかり熱くなってその手をどけてパンツが見えてしまっている。誰も見てませんように!いや、健司が見たのか。とりあえず座り方を直して気も取り直して、話を続ける。

「うん、だからさ、親とかさ、きっと超怒るよね。大事な娘ができちゃった結婚だよ?」
「大事な娘がパンツ見えてんのも泣けてくるだろうな」
「すみませんお願いだからパンツから頭を離してください」
「いや、今のは何気に印象的だったから」
「だからパンツから頭を離してくださいませんか」
「だからパンツ見えてる奴に日本が終わりとか言われても説得力ねえ」
「…健司そんなに私のこといじめて楽しい?」
「割りと」

何よパンツパンツ言っちゃってそんなに私のパンツが好きか!ていうかたまたまパンツが見えた私とできちゃった結婚の人たちを同列に扱って欲しくはない。できちゃった結婚してる人たちはパンツ見せるよりもっとすごいことやってんだよ?

「本当にさ、一回パシリになってあげるからパンツから頭離してくれる?」
「いや、無理だって」
「じゃあ今度奢ってあげるから!」
「無理だっつーの。責任取ってくれ」
「いやそれこっちのセリフ」
「じゃあ結婚すっか」
「は?」
「お互い責任取るってことで」
「…またまたご冗談を」

健司は2つ目のみかんに手を出している。そんな感じであまりにも普通の状況で抑揚なしに言うもんだからぶっちゃけ冗談と本気の区別がつかない。いやいや冗談に決まってんじゃん。健司も、もっとこうさ、アホっぽく言ってよ。

「結構本気なんだけど」
「そんなパンツ一つで本気で責任感じないでください」
「いくらなんでもパンツ一つで責任感じねえよ、アホ」

すでにみかんを食べ終わった私はもうどうしていいのかわからなくてまた体育座りをした。膝で半分顔を隠して。

「で、どうなんだよ」
「…できちゃった結婚じゃなきゃいいよ」
「よし」

じゃあ計画的にやるか、と言った健司にみかんをなげつけてやった。





















行き当たりプロポーズ
「やるって何をさ!」「そりゃお前」「ごめんなさい言わなくていいです」

08.01.05














最近こんなのばっかですね。