「……L」
「何ですか?」
「痛い」
私が今いるのはLの腕の中で、まぁそれは別にいいのだけど
妙に力が強くて、痛い
「痛いんですが」
「痛くしてるんです」
「…変態ですか?」
「失礼ですよ、」
意図的に痛くしてるなんて変態以外の何者でもないということをこの人はわかってないんだろうか
「L、こういうことをする人を変態って言うの」
「そうですか、じゃあ変態でいいです」
「ていうか何で痛くするんですか」
「が私の存在を感じてくれるでしょう」
「………」
「………」
「…そういうことですか」
「…そういうことです」
彼が私を抱きしめる腕が一層強くなる
Lが私を抱きしめることを私が痛いと感じるということは、Lがそこに存在しているということだ
妙な話かもしれないが、Lがそこに存在していなければ私がこの腕を痛いと感じることはないわけで
Lがそこに存在するから私はこの腕を痛いと感じる
ああ、何だか難しい話になっているみたいだけれど、すごく単純なことだ
ただLがここに存在して、Lはそれを確認しているだけ、私に確認させているだけ
「L、大丈夫ですよ」
「はい」
「”L”はここにいる」
「はい」
「だから私はこうやって幸せでいられる」
自分の本名すら明かせない彼の存在はきっと彼の中でも不確かなもので
彼ですら自分が自分であることをわからなくなることがあるんだろう
大丈夫よ、L
あなたの存在を知り、愛する人がここにいることを知っているでしょう
とエル・ローライト
互いが存在することで幸せが一つ生まれる
幸せな物語を一つ
06.11.05
また小説からネタもらいました
ナオミが鏡見るあのシーンです
ちなみに背景はビオラ、花言葉は私のことを想ってください
ここまでぴったりなのがあるとは思わずびっくりしました