「は生まれ変わったら何がしたいですか?」

     「そうね、引きこもりじゃない彼氏を作りたいかも」

     「それは嫌味ですか」

     「そう聞こえるならそうかもね」


     Lと手を繋いで、中身があるようでない会話をする

     Lはいつも通りのあの座り方で、私は普通に座って


     「じゃあLは生まれ変わったら何がしたい?」

     「普通になりたいですね」

     「普通?」

     「ええ、今みたいにいろいろな事件を捜査するのも楽しいです。
      けど、と普通にデートとかそういうのをしてみたいです」

     「渋谷とかで?」

     「そうですね」

     「うわ、それ似合わない」

     「うるさいですよ」


     あ、拗ねちゃった、可愛い


     「L、拗ねないで」

     「………」

     「こっち向いて」

     「………」


     Lは私の肩に頭を置いた

     何だか妙にドキドキする


     「ね、さっきの続きだけど」

     「はい」

     「生まれ変わっても今の記憶はなくなっちゃうんだから、こういう会話は不毛よね」

     「…まぁそれもそうですね」

     「私は今を生きていられれば十分」

     「そうですね」


     Lの私の手を握る力がさっきよりずっと強くなる


     今を 生きられれば 十分


     「L、あと何分?」

     「あと10分ですね」


     あと10分でこの手は力をなくす

     それまで、ずっと、



     「ずっと、このままでいてね」


















君が死ぬまであと10分

























     06.11.13

     題名もネタばれ