「楓の好みのタイプってどんな人?」

     別に「私みたいな人」という答えを期待したわけではない

     ただこのぽやーっとした私の彼氏が、どんな答えをするのか気になった


     「タイプ…?」

     「だから、どんな人が好きかって。優しい人、とか可愛い人、とか」


     楓はぼーっとした、考えてるのか寝てるのかわからない顔をしたまま動かない


     「…起きてる?」

     「起きてる」

     ああよかった、目を開けたまま寝ちゃったのかと思った

     「で、答えは出た?」

     「ああ、

     「は?」

     「だから、オレが好きなのは

     「いや、じゃなくて好みのタイプ…」


     を聞いてるんだけど、と続けようとしたら楓はいつものように倒れて寝てしまった


     「………ちょっとー」

     聞きたいことは聞けなかったけど、代わりに満足な答えを聞けたからいいかな、と

     ぐっすり眠り込んでしまった楓の寝顔を見ながら思った

























     07.01.15

     題名が流川くんぽくな い…

     愛の歌、というとやっぱりエルガーの愛の挨拶が思いつくなぁ(コルダ関係無しに)
     歌じゃないけど、メロディが優しくて温かくて大好きです


     それはとても短い詩だったけれど、私には何より優しく聞こえた