1月。新学期も始まってお正月ボケも抜けてきた頃、花宮の部屋で今日もごろごろしている。
花宮はソファに座って小難しそうな本を読んでいる。
私は隣に座って雑誌の星座占いを読む。
私の星座は…よくも悪くもない。
花宮は…って、そういえば。

「ねえ、花宮って何座?」

花宮の星座…というか誕生日を知らないことに気付く。
花宮はそういうことわざわざ言うやつじゃないし、私も女子にしては誕生日にこだわりがないので聞いたことなかった。

「山羊」
「えっ、じゃあもうすぐ誕生日?あ、それとも終わっちゃった?」
「今日」

終わってたらまずいな、と思いながら聞いてみると、とんでもない答えが返ってきた。
今日って、今日って!

「え、今日!?12日?」
「ああ」
「なによ、言ってくれればなんか買ってきたのに」

今日が誕生日だと知っていればケーキ…は花宮甘いもの嫌いだし買わなくても、誕生日プレゼントとか用意したのに。
いくら誕生日にこだわりがなくたって、さすがに恋人の誕生日スルーしてしまったのはショックだ。

「いらねー」
「でも」
「いらねーっつってんだろ」

花宮は不機嫌な声でそう言うと、私の膝に頭を埋めた。
膝枕ってやつだ。

「…な、なに」
「別に」

花宮はたまにこうやって膝枕をしてくる。
バスケ部の人たちが見たら、絶対面白がるだろうなと言う姿だ。

…あ、そっか。

「…どうぞ、ごゆっくり」

花宮の欲しいもの、か。
わかるよ。

「…別にめでたくねーだろ、誕生日なんて」
「めでたいと思うけど」
「どこが」
「花宮がめでたいと思わなくても、私は嬉しいよ」

そう言うと、花宮は私の方を向いていた顔をそっぽに向けてしまう。
照れたときは、いつもこう。

「気の済むまでこうしてていいよ」
「うるせえ」
「ふふ」

ささやかながら、誕生日プレゼントだ。
確かに、花宮はこれが一番喜ぶだろうし。
パッと見分からないけど、喜んでいる顔だ。

「誕生日、おめでとう」

そう言って屈んでキスをする。
そのまま体を起こさずにいると、今度は花宮からキスをした。












ハッピーバースデー
14.01.12

花宮誕生日おめでとう!
花宮は誕生日に興味なさそうだし物欲もなさそうですね
そんな花宮が一緒にいる時間を欲しがったら萌えると言うお話



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