「ねえねえ、白石」

休み時間、隣の席のが話しかけてきた。
が話しかけてくるとは珍しい。

「なんや?」
「あのな、もうすぐ弟の誕生日なんや」
「へえ、弟おるんや」
「うん。で、小6の男の子にあげるプレゼントって何がええと思う?」

はーん、そういうことか。
確かに家族言うても異性へのプレゼントって悩むよなあ。

「今まで何あげてたん?」
「適当。私がほしいもんとか。
 そしたら去年お母さんに「あの子ももう高学年なんやからそない子供っぽいもんばっかあげとったらダメやん」って言われてもうて」
「ああ、それで相談しにきたっちゅーわけか」
「そうそう。で、何がええと思う?」

何がええって言われても人の趣味なんて千差万別やしなあ…。

「別になんでもええんとちゃう?」
「ちょっと、私真剣に悩んどるんやけど」
「真面目に答えてるで。プレゼントっちゅーのはモノ自体よりもらった事実が嬉しいわけやし」
「そらそうやけど、でもやっぱりあげるからには喜んでもらいたいやん」
「でもな、誰かに言われて買ったプレゼントより、その人が悩んで悩んで1人で買ったもののほうがもらったほうとしては嬉しいはずやで」

は腕を組んでうーんとうなりながら考え込んだ。

「…やっぱ、そうやね。ちゃんと自分で考えるわ。ありがと」
「どういたしまして」

そう言うとは座りなおして次の授業の準備をし始めた。
誕生日、なあ…。

「なあ、
「なんや?」
「俺、今日誕生日なんや」
「え、そうなん?おめでとう」
「どうも。俺へのプレゼントはいつでも受付中やで」
「あははっ。今日弟の誕生日買うついでに買ってこようか?」
「ちゃんとが一人で考えて買ってくれるんならついででも喜んで」
「了解、なんや弟のプレゼント以上に悩みそうや」

まあ、ホンマはついでは嫌やけど。
とりあえず、が俺のために悩んで買ってきてくれるんなら、それでもええかな。

来年はついでやなくて祝ってもらうように、15歳の一年頑張りますか。






















11.04.14
白石誕生日おめでとう!