「ねえ大我!ポッキーゲームやろう!」
「はあ?」

ポッキーを持って大我の部屋に来てそう言ってみる。
案の定、大我は嫌そう〜な表情になる。

「やんねーよ」

大我は呆れたような声を出す。
でしょうね。大我はそう言うでしょうね。

「…そっか」
「?」
「…たまには大我とこういう恋人同士っぽいことしてみたかったんだけどな…」

残念そうな声でそう言うと、大我はちょっと気まずそうな顔をする。
大我はそういうやつだ。
優しいから、私が悲しんでると放ってはおけない。

「…残念」

ちょっと鼻声でそう言えば、大我はますます苦しそうな顔だ。

「…わーったよ!やればいいんだろ!」

顔を赤くして大我は言う。
やっぱり!私の恋人はとっても優しい!!

「やった!はい大我!」
「おい、やけに立ち直んの早くね!?」
「細かいことはいいから!」

内心大我の優しさを利用してごめんねとは思ってる。
思ってるけど、でも大我が好きなんだもん!

「はい、こっちね」
「お、おお」

大我とポッキーを咥えてスタンバイ。
案の定大我は進んでこない。でしょうね。予想通り。
だから私からちょこちょこ進んでいく。

あとちょっと、5cmくらい。
折られちゃうかな、そう思っていたら

「…んっ!?」

そこまで来て、大我がぐっとこっちに寄ってくる。
ポッキーはもうほとんどない。
自然とキスをする形に。


「え、な、な」
「…なんだよ!なんでお前が照れてんだよ!」
「だ、だって大我そういうことしそうにないじゃん!」
「お前がやろうっつったんじゃねーか!」
「そうだけど!なんかこう…こう!」
「うるっせーよ!」

大我は私の頭を軽くチョップする。
大我の顔も、私の顔も、真っ赤だ。

「…大我」
「…なんだよ」
「…ポッキー食べる?その、普通に」
「…おう」
「……」
「……」


ポッキーを食べ終わった後、今度は普通にキスをした。














5cm
13.11.11

ポッキーの日!
火神をからかいまくったのちに反撃されたいお話






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