「ただいま〜」
「おう、おかえり」

友達とおしゃべりした後、家に帰って来る。
大我の、旦那さんの待つ家に!

「大我ー!」
「うわっ、どうしたんだよ、いきなり」
「キスしよう!」
「はあっ!?」

ソファでバスケ雑誌を読む大我に抱き着いてそう言う。
大我、私、キスしたいの!

「どうしんたんだよ、いきなり。いや、別にいいけど…」
「これからね!おはようとおやすみのキス、行ってきますとただいまのキス、あと目が合ったらキスを習慣づけたいと思いまして!」
「はあっ!?」

本日の二度目の大我の驚きの声。
だっていいじゃない、なんか、新婚さん!って感じで!ラブラブって感じで!

「しねーよ!アメリカ人じゃねーんだから!」
「アメリカの水飲んで育ったくせに!」
「育ってねーよ!5年くらいしかいねーよ!」
「第一アメリカ人じゃなくてもやるよ!」
「オレはやんねーよ!」

大我は頑なに賛同してくれない。
くそ…こうなったら奥の手だ…。

「…辰也さんはやってるのにな〜」

そう言うと、大我はぴくっと反応する。
大我が兄と慕う辰也さん。大我は彼の名前を出すと弱い。

「奥さん、すごーく幸せそうでさ〜」

そう、今日会って来た友達は辰也さんの奥さんだ。
会話の流れで彼女がポロッと言っちゃったのだ。
すごく恥ずかしそうに、でも、嬉しそうな顔で。

だから、うらやましいなあと、そう思って。

「…う」
「う?」
「うちはうち!よそはよそ!」

大我は大きい声でそう言うと、またバスケ雑誌に視線を移す。
なによー…。

「…ふん」

ソファの上で体育座りになって、膝に顔を埋める。
…別にいいけどさっ。
大我はそういうキャラじゃないし。
そもそも付き合いも長いし。
そういうのあんまりしてこなかったし。

でもさ、でもね。
高校からずっと付き合ってきて、やっとこの間結婚して、夫婦になって。
新婚さんなんだから、そう言うことを少ししてみたいなって、思ったりもするんだよ。

「……」
「…おい」
「?」
「おい、顔上げろ」

そう言われて、顔を上げる。
その瞬間、大我が私にキスをした。

「!」
「…目が合ったら、キスだろ」

大我は恥ずかしそうな顔で、そう言う。
大我…!

「うわっ!」
「大我大好き!愛してる!」
「…おう」

大我に抱き着いて思いっ切りそう言えば、大我は私を頭を撫でる。
やっぱり、大我が世界で最高の旦那さんだ!
















最高の旦那様
13.01.14

なんだかんだ奥さんの言うこと聞いてくれる旦那火神かっこいい!なお話
火神も結構フェミニストだと思います




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