「…ん」

自然に目を覚まして、周りを見渡す。

「……」

一緒に眠っていたはずの大我はいない。
台所の方から料理を作る音が聞こえる。



「…おはよう」
「おう」

リビングに行くと、予想通り大我が朝ごはんを作ってくれている。

「何作ってるの?」
「オムライス」
「ケチャップ、ハートにしてくれる?」
「するかボケ」

せっかく泊まりに来たんだから、新婚ぽいことしてみたいのに。
ちぇっと言いながら、椅子に座った。

「じゃあさー」
「?」
「おはようのキスしようよ」
「ぶっ!?」

そう言ってみると大我は咳き込む。
あーあー、ご飯に入っちゃうよ。

「何言ってんだお前!」
「だってせっかく朝起きたら大我がいるのに、そういう「ならでは」のことしたいじゃない」

大我が一人暮らしと言えど、私は普通に実家暮らし。
そんなにぽんぽんと泊りに来られるわけじゃない。

「…」
「どうしてもダメ?」

料理を作る大我の隣に立ってみる。

「…あー!!」

大我は恥ずかしそうに頭をガシガシ掻くと、私の方を向く。

「…」

唇に、優しい感触。

「…おはよう」
「おう」

大我は少し頬を赤くして、恥ずかしそうに目線を外す。

「ていうか」
「なんだよ」
「泊まったりしてるのに、なんでキスくらいでそんな照れるの」
「そういうのは、こう、なんつーだ、流れとかあるだろ!」

大我は顔を赤くしたまま、オムライスをお皿に盛る。

「ケチャップ、自分でやれ」
「ハートにしていい?」
「…勝手にしろ」
「やった!」












グッドモーニングキス
13.04.17

火神の作ったオムライスが食べたいって話です
ケチャップでハートマーク書いてやりたい




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