「うーん…」 朝、鏡を見ながら髪のセット。 右の髪が少し跳ねているけど、もう出なきゃいけない。 「気付かれませんように…」 誰にも、特に彼には気付かれませんように。 そう唱えて家を出た。 * 「、おはよう」 「あ、辰也」 学校へ行く途中、辰也に会う。 思わず手で跳ねている髪の毛を抑えた。 「?どうしたの?」 「あ、いや…」 恐る恐る手をどかす。 うわ、バカ…。わざわざ注目させるようなことをして。 ば、バレちゃうよね…。 「あ、跳ねてるね」 「!」 や、やっぱり…。 顔を赤くすると、辰也は私の髪を撫でる。 「可愛いな」 辰也はそう言って、跳ねた髪のあたりにキスをした。 「…」 「ん?」 「…なんでもない」 鏡を見てはいつも、辰也の隣に立って恥ずかしくない彼女になりたいと思うけど。 辰也の隣に立つと、いつもそんなことを忘れさせてくれる。 鏡を見ては、いつも 13.11.03 2013年10月の拍手に加筆修正 title→恋したくなるお題 ![]() 感想もらえるとやる気出ます! |