「うーん…」

朝、鏡を見ながら髪のセット。
右の髪が少し跳ねているけど、もう出なきゃいけない。

「気付かれませんように…」

誰にも、特に彼には気付かれませんように。
そう唱えて家を出た。



、おはよう」
「あ、辰也」

学校へ行く途中、辰也に会う。
思わず手で跳ねている髪の毛を抑えた。

「?どうしたの?」
「あ、いや…」

恐る恐る手をどかす。
うわ、バカ…。わざわざ注目させるようなことをして。
ば、バレちゃうよね…。

「あ、跳ねてるね」
「!」

や、やっぱり…。
顔を赤くすると、辰也は私の髪を撫でる。

「可愛いな」

辰也はそう言って、跳ねた髪のあたりにキスをした。

「…」
「ん?」
「…なんでもない」

鏡を見てはいつも、辰也の隣に立って恥ずかしくない彼女になりたいと思うけど。
辰也の隣に立つと、いつもそんなことを忘れさせてくれる。








鏡を見ては、いつも
13.11.03

2013年10月の拍手に加筆修正



title→恋したくなるお題




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