LINEにて


『眠れないの?』
「目冴えちゃって…」
『そっか。眠るまで付き合うよ』
「眠くなったら寝ていいよ」
『わかってるよ』
「このまま眠れなかったら明日目腫れちゃう」
『腫れてもきっと可愛いよ』
「本当?」
『もちろん』
「辰也がそう言ってくれるならいいや」
『でも寝なくちゃダメだよ』
「そう思うとなかなか眠れない…」
『羊でも数える?』
「羊が一匹、羊が二匹…って?」
『英語で数えるといいよ、sheepとsleepの発音って似てるだろ』
「それで羊数えると眠れるって言うの?」
『そうみたいだね』
「へえ〜知らなかった。でも私発音よくないしなあ」
『電話して数えてあげようか?』
「辰也の声聞いたらドキドキして眠れなくなっちゃうからダメ」
『はは、そっか』
「でも」
「声は聞きたい」
「あっ、電話しちゃダメだよ!」
『どうして?』
「だって、眠れなくなっちゃうってば」
『…そっか』
「それに電話してたら辰也も眠れないよ」
『オレはいいよ』
「寝覚め悪い癖に」
『…まあ、そうだけど』
「…やっぱり携帯閉じるね」
『どうして?』
「辰也まで起きててもらうの、悪いよ」
『オレが付き合いたいんだよ』
「…本当にいいの?」
『オレが眠れないときも付き合ってくれるなら』
「わかった」
「あ、なんか」
「いきなり眠くなってきた」
『そう?よかった』
『あ、もう寝ちゃったのかな?』
『早いね』
『おやすみ。夢でも会えたらいいな』









眠れぬ夜さえ幸福の時
13.11.03

2013年10月の拍手お礼に加筆修正を加えたもの
氷室は彼女と夜まで電話したりしてそうですね
高校生にとってはLINEの無料通話は本当有り難いんだろろうな〜


title→恋したくなるお題




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