クリスマスに礼拝堂の裏でキスをしたカップルは永遠に結ばれる

期末テストも終わり、クリスマスに向けて全力疾走で走る12月の後半ともなれば、女の子たちはの話題は、そんな噂でもちきりになってしまう。彼氏のいる子はどうしよう、キスしちゃおうかな。彼氏のいない子はどうしよう、この機会に告白しちゃおうかな。女の子たちがいつもよりずっと足取りが軽やかなのは気のせいではないだろう。
そんな私は、キスするかどうか、悩むポジションにいるのだけれど。


「してみる?」
「…でも、誰かに見られそうじゃない?」
「…まあな」

準太は少しだけ拗ねた顔をした。したいの、かな。私だって永遠に結ばれるとか、そういうのにときめいたりする年頃なのだ。ときめいても、そんなわざわざ人に見られるようなところでキスをするのは恥ずかしい。準太だって多分そう思ってる。第一、この噂自体、キスを誰かに見られたら全く効果がないんだから、もし誰かに見られたりしたら恥ずかしい上に効き目もないというまさに踏んだり蹴ったり状態になってしまう。

「ていうか、永遠に結ばれるって、本当かよって感じだよな」
「…まあ、ね」
「永遠ってことは、死んでも一緒ってこと?」

永遠、か。今さらだけど永遠って何だろう。私はできることなら準太と永遠に一緒にいたい。というか、いつか準太と別れて他の人と付き合ったり、結婚したりすることがあるんだろうか。なんか、そんなの嫌だな。私は準太と結婚するとか、そういうのまで考えてるわけじゃないけど、何となく、準太とずっと一緒にいられるような気がしてるのに。もしかしたらそういうのは夢物語なのかな。

「何かオレ、クリスマスに礼拝堂の前でキスしただけで誓える永遠とか、安っぽい気がしてきた」
「え」
「だってそうじゃん。別にオレ、キスしなくてもとずっと一緒にいられるような気がしてるんだけど」

はどうなの、と準太は私から目を逸らして言う。照れてる。恥ずかしいのに無理に言ってるんだ。さらりと言ってくれればいいのに、そんなふうに赤くなられたら、私も、もっと赤くなってしまう。

「キスとか、本当にどうでもいいかもね」

キスなんてしなくていい。ずっと一緒にいられればそれでいい。


















Hark the glad sound!
07.12.19









慎吾さんのJoy to the world,とリンク
題名は二つとも もろびとこぞりて です