7月1日は「氷室の日」だと、高校生のときににいとこから聞いた。
彼女の地元では氷室の日に氷室饅頭という酒饅頭を食べるのだとか。

それから毎年、私も7月1日に辰也と一緒にお饅頭を食べている。


「お腹空いたな…」
「あ、おやつあるよ」

辰也がそう言うので、キッチンの棚からお饅頭を持ってくる。

「お饅頭だ」
「うん。今日は7月1日でしょ?」
「?あ、そっか」

辰也は一瞬驚いた顔をした後、思い出したように笑った。

の日だ」

辰也は私の手の中のお饅頭を一つ手に取って、もう片方の手で私の頬を撫でた。

「そうね」

氷室の日の話を教えてもらったあの頃と違う。
今は辰也だけじゃなく、私も「氷室」だ。

「…いいな」
「?」
「同じ名前って、いいなと思って」

辰也は優しい笑顔でそう言う。
私も、そう思うよ。

「ね」

お饅頭を一口食べる。
来年も一緒に食べようね。






氷室の日
14.07.01

7月1日は氷室の日!






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