「ひ、氷室、ちょっと待って」

氷室と一緒に学校から帰っている最中。
割と大き目の道路。普通に人がいるような道路。

そこで氷室がいきなり、だけどすごく自然に、キスをしてきた。

「どうして?」
「だ、だって人いるし」
「ええー…」

氷室はちょっと拗ねたような顔をする。
…氷室って…。

「なんか、我慢できないタイプだよね…」
「そう?」
「…あのときも、『今週中』って言ってたのに、結局一日短くしちゃうし…」
「あのとき?」
「…その、告白してきたとき」

そう言うと氷室は目を丸くした。

あのとき、一ヶ月前。
氷室は私に告白してきた。
そのときに一週間以内に答えが欲しいと言ったのに、結局氷室は「やっぱり待てない」と言って、一日前に答えが欲しいと言ってきて。

今回も、こんな大通りでキスしてくるし、我慢が効かないと言うか…。

「だって、が可愛いから、ついね」
「か、可愛いって」
「ほら、その顔だ」

氷室はもう一度私にキスをする。
う、わ。ちょっと待ってってば…!

「…っ」
がそうやって赤くなって、可愛い顔をするから、我慢がきかなくなっちゃうんだよ」

氷室はもう何度目かわからないキスをする。
本当に、この人は、


「…私、氷室といたら、ずっと心臓ドキドキ言ってそう…」

そう言ったら氷室は笑った。

「一生ドキドキさせてあげるよ」

氷室の言葉に赤くなると、氷室はまた私をキスをする。
一生、ドキドキ。

それもいいかな、なんて思ったのは、氷室には内緒だ。






一生君に
13.07.09

リクエストの「恋をしている」の続きでした〜
小町さんリクエストありがとうございました!








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