久しぶりに黒子くんと一緒に帰る帰り道。
黒子くんの部活でなかなか一緒に帰ったりできないので、たまにあるこういう機会は本当にうれしい。
思わずスキップしたいくらい。

さん、嬉しそうですね」
「そりゃ黒子くんと久しぶりに一緒に帰ってるんだもん。嬉しくもなるよ!」
「そうですね。ボクも嬉しいです」
「だよね!」

黒子くんの表情はあまり変わらないけど、嬉しいと言ってくれてるんだから嬉しいんだろう。

「黒子くんってホント何考えてるかわかりにくいよね」
「そうですか?」
「うん、これでも前よりわかるようになったと思うんだけどなあ」

付き合う前は何を考えてるかわからないというより「この人何かを考えたりしてるんだろうか…」とか思っていたけど
今は「今、喜んでるかな?」とか「悲しんでるかも」くらいはわかるようになった。
…気のせいじゃなければだけど。

「ボクだってそんなに難しいこと考えてませんよ。お腹が空いたとか、バスケしたいとか、そういうことしか考えてませんし」
「あははっ、まあそんなもんだよね」
「あとはそうですね、さんとくっつきたいとか、そんなことです」
「えっ!?」

黒子くんは一歩分私の方に寄ると、私の手を取って「繋いでいいですか?」と聞いてきた。

「そりゃ、もちろん」
「よかったです」
「黒子くん、嬉しそう」
「はい、嬉しいですよ。さんも嬉しそうです」
「うん」



「よく「何考えてるかわからない」って言われますけど、そもそもみなさんそんなに人の考えてるかわかるんでしょうか」
「…そう言われれば」
「それに、何考えてるかみなさんにわかってしまったら困りますよ」
「そんなに困ること考えてるの?」

そう言うと黒子くんはクスッと笑って、

「ボクだって、男ですから」












考えてるのは君のこと
120518


「何考えてるかよくわからない人」って普通に言いますけど、私は誰の考えもわかったためしがありません
みんなそんなにわかるのか…

黒子くんはのんびりした話が書きたくなります