「白石って、何で私のこと好きなの?」

我ながら愚問だなぁと思ったけれども聞かずにはいられなかった。
だって私は特別可愛いわけでもないし正直気も利くほうではない。
これで私が美人だったりめちゃくちゃ秀才だったりしたら、白石のファンに疎まれることもなかったのかなぁと思っちゃうんだよね。

「何や、気になるんか?」
「んー…まぁね」

気になるって言うか、聞いてみたい。
自慢じゃないけど告白してきたのは白石のほうだし。

「そうやなぁ…」
「うん」

白石は上を向いて少し考えて、あ、と言ってこちらを向く。

「ええこと思い付いたで」
「何?」
「キスしてくれたら教えたる」
「…は?」
「だからキス」

口元に笑みを浮かべて、じりじりと私に近づいてくる。

「ちょ、何なのよ」
「してくれへんの?」
「何でしなきゃいけないのよ!」
「いつもするの俺からやん」
「だからって!」
「気にならんの?」

ああしまった、私はなんてことを聞いてしまったんだ。聞かなきゃよかったと後悔しながら、いつの間にか壁際に追い詰められてる。

「あのさ、とりあえずどいて」
「キスしてくれたらどく」
「ちょっと!」

ダメだ白石はもうどく気はなさそうだ。仕方ない、と私は腹を括る。

「じゃ、あの、目閉じて」
「おう」
「…」
「あ」
「な、何?」
「ちゃんと口にせなアカンで」

白石の顔に、少し自分の顔を近づけて、あ、やばい、すごい緊張してるかも。あと5cm、3cm、……

「…した、よ?」
「……」
「したんだから教えてよ」

うっかり忘れるところだったけどこれはどうして私のことを好きか聞くためにしたことだ。これで教えてくれなかったら私は何のために勇気を出したのかわからない。

「白石?」
「ダメや」
「え?」
「キスだけじゃ我慢できへん」
「はあ!?」

そう言うと、今度は白石からのキス。甘い甘い、深いキス。
変なこと聞くんじゃなかった、と後悔してももう遅い。






















07.02.10

ヒロインが関西弁じゃないのは…あの…二人も関西弁じゃ私書ききれませんので…
出身東京で中学から引っ越してきたみたいに考えてください…