「、プレゼントがあるんだ」
今日は辰也の誕生日なのに、なぜか辰也の方からからプレゼントを渡された。
プレゼント自体は嬉しいけれど、「なぜ今日?」という戸惑いを隠せない。
「な、なんで? 今日は辰也の誕生日なのに」
「がつけるところを見たくて」
「ええ……?」
今の言い方からすると、辰也としてはこのプレゼントをつける私を見たい……ということなのだろう。
もちろん別に誕生日プレゼントは用意しているけれど、辰也がそう言うのであれば気は引けるけれど受け取らなければ。
「つけるところ」という言葉からして中身はアクセサリーだろうか。
ドキドキしながら包みを開くと、そこにはピンク色の小瓶が入っていた。
「これ……香水?」
「そう。に似合いそうだと思って」
「わあ……ありがとう」
香水なんて、生まれて初めてもらった。
大人の階段を上った気分で高揚感に包まれる。
石鹸の匂いに近いほのかな甘い香りは、高校生のわたしでも抵抗なくつけられる優しい香りだ。
「どこにつければいいんだろ……」
辰也はこれをわたしがつけるのを楽しみにしているようだけれど、香水なんて今までつけたことがない。
手首につけるとかスカートの裾につけるとか、あとは上の方に一吹きしてその下をくぐるとか。香水の付け方について聞いたことはあるけれど、いざ自分がつけるとなるとなかなか迷ってしまう。
「香水はキスしてほしいところにつけるんだよ」
香水瓶を持って迷っていると、辰也がそんなことを言ってくる。
思わぬ言葉にぽっと顔が熱くなった。
「き、キス?」
「そう。はどこがいい? オレはどこでもいいよ」
辰也はにこにこと嬉しそうな楽しそうな笑みを浮かべている。
どこ、どこ? 辰也にキスされたいところ?
期待に満ちた辰也の瞳。甘い香りの香水瓶。
ふたつを交互に見つめて、わたしは香水を一吹きした。
どこにつけたかは、秘密です。
キスしてほしい
2020.10.30
ハッピーバースデー!
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