はよくオレの名前呼ぶね」

ベッドで横になるにそう言えば、は目を丸くする。

「そう?」
「うん。さっきもよく言ってた」

そう言うとの顔がポッと赤くなる。

「さ、さっきって…」
「言った方がいい?」
「わーー!!」

はさらに顔を赤くして、オレの口をふさぐ。

「わ、わかったから言わなくていいです!」
「そう?」
「う、うん…」

赤くなったの頬を撫でる。
最中に、がオレの名前を縋るように呼ぶ。
それが、たまらなく、好きだよ。

「呼んでくれるの、嬉しいよ」
「…そ、そう?」
「うん」
「…辰也の名前、好きだから、たくさん呼びたくなるのかも」

は照れたように、嬉しそうに笑う。

「オレもの名前好きだよ」
「本当?」
「うん」


名前を呼ぶと、は笑う。
幸せそうな顔だ。

「辰也」

のオレの名前を呼ぶ。
我ながら単純だと思うけど、がオレの名前を呼んでくれる、それだけで、幸せになれるよ。

「…辰也、あのね」
「ん?」
「…私、辰也の名前も好きだけど、…苗字も、好きだよ」

は赤くなった顔で、照れくさそうな声で言う。
その、意味は。


「わっ!」

ぎゅ、と力強く抱きしめる。
が痛くないように。でも、少しでも近くなるように。

「一緒の苗字、今すぐなろう」
「ふふ、まだ無理でしょ?」
「…はあ」

にそう言われてため息を吐く。
今すぐ結婚したいくらいなのに。

「じゃあ予約だ」
「うん」
「でも、オレもの苗字好きだから、オレがになってもいいな」
「そう?」
「うん」
「でも、氷室ってかっこいいから、やっぱりそっちがいいなあ」

少し先の未来のことを想像しながら、今日も夜が更けていく。
そんな未来が、少しずつ近づいてくるのを感じながら。












恋に落ちて
14.01.07

前にブログで書いた名前の話
タイトルは藤田麻衣子さんの曲から




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