頑張って好きになったら ダメ? 恋をした 『お前中2になって好きな奴の一人もいねーの?』 という友達の一言が気になった。別にまだ誰も好きになったことがないわけじゃない(初恋は確か幼稚園の先生だったな、フラれたけど)ただ周りに好きになるような女がいなかっただけ、それだけ。そこで強がって、『いるよ』って言ってしまって。しょうがないからそのとき隣の席だったを俺の好きな奴ということにしてしまった。 「切原くん、どうしたの?」 「え?」 やべ、今授業中だっけ。高橋の声でやっと我に返った。 「当たってるよ、12ページの5行目、読めってさ」 「え、ああ…」 慌てて教科書を開いたけど、最初の単語から読めねぇ。 「パーファプス、って読むの」 「どうも」 教えてもらってやっと読み出すけど、その先にも分からない単語がたくさんある。ただでさえ授業なんて身が入らない、隣になんて余計に。友達に言った『が好き』なんていうのは本当のことじゃなかった。あの時点では間違いなく。 だけど今ではが耳に髪をかける仕草とか、果てはノートに文字を書く動作まで気になってる。どうでもよかったはずのに、なんでこんなにドキドキしてるんだ。あんなことを言った日から、本当に気にし始めた。そんなことを考えながらのほうを見ていたら、あいつもこっちを見た。目が合って照れたのか、ちょっと赤くなってまた黒板のほうを向いてしまった。それも可愛い、俺もうやばいかな。頑張って好きになるってのは本当の恋じゃない、みたいなことを言うけれど、俺はこんなにもを抱きしめたくて、こんなふうに思うのはだけ。 これを恋じゃないって言うなら、なんだって言うんだ? 俺は確かにに恋してる 06.02.11 久々更新ですいません… |