今日はハロウィンだ。と子供たちに何か甘いものでも買って帰ろうと思い、仕事帰りにデパートに寄った。
かぼちゃのお菓子を4つほど買った。
家族4人分だ。
「ただいま」
「おかえりー!」
家のドアを開けると、葵と翠が一直線にオレの元にやってきた。
「ただいま」
「お父さん、とりっくおあとりーと!」
二人はたどたどしい発音でそう言ってくる。
「はは、はい。お菓子だよ」
「わあい!」
「お父さん大好き!」
二人は嬉しそうな顔で抱き付いてきた。
翠はにそっくりで、葵はオレにそっくりだ。
二人とも、オレとの可愛い可愛い子供だ。
二人を抱きかかえながらリビングへと入る。
「辰也、お帰り」
「、ただいま」
台所ではがご飯を作っている。
この匂いはカレーだ。
「カレー?」
「そう」
二人を下ろし、の前の鍋を覗きこんだ。
「やった。楽しみだな」
「ふふ、もうちょっと待ってね」
言いながら、オレたちはキスをする。
帰ったときは必ずこうしている。
「、お菓子買ってきたんだ」
「お菓子?」
「見て!お父さんにもらった!」
そう言って葵がオレたちの間に入り込んでくる。
葵は高々とオレからもらった袋を持ち上げてみせた。
「あらあら」
「にもあるよ」
「ありがと」
「にだったら悪戯されてもいいんだけどね」
「もう」
から悪戯なんて、それはもう大歓迎だ。
まあオレからするのも悪くないんだけど。
そういえば、去年これを言ったら「高校生じゃないんだから」と言われてしまったっけ。
でも仕方ないだろう。の前だとオレはいつだって高校生みたいに胸を躍らせてしまうのだから。
「お母さん、お菓子食べていい?」
「ご飯の後にしましょ。もうすぐだから」
「はーい!」
葵はの言葉を聞いて、テーブルの上に袋を乗せた。
今のところ葵も翠も素直に育ってくれている。
とりあえず一安心だ。
*
夕食を終え、葵と翠を寝かしつけた後、と二人リビングで乾杯をした。
「はい、チョコレート」
「わ、ありがとう」
今日はハロウィンだから、がオレのためにチョコを用意してくれたようだ。
「おいしい」
「ふふ、よかった」
お酒の入った、高級そうなチョコレート。
もう一つ、そう思い口を開ける。
「はい」
期待通り、はオレの口の中にチョコを放り込んでくれる。
子供達に見られたら、「お父さん子供っぽい」なんて言われてしまうだろうか。
「ねえ、。甘いものも嬉しいんだけど」
「ん?」
「悪戯もしたい」
オレの言葉には目を丸くする。
「もう、辰也ってば。高校生じゃないんだから」
やっぱり、思っていた通りのことを言われてしまった。
「の前じゃオレはいつだって高校生みたいなものだよ」
「わっ!」
をベッドへ押し倒しキスをした。
チョコレートの甘みがオレからへ伝わっていく。
「もう、辰也って本当変わらない」
「そう?は変わったね。綺麗になったよ」
出会ったときからは可愛くて綺麗だったけど、今はもっと綺麗になった。
「本当?」
「ああ」
「嬉しい」
はオレにギュッと抱き付いた。
それはOKの合図だ。
「辰也もかっこよくなったよ」
「本当?」
「うん。昔からかっこよかったけど…もっと素敵になっちゃった」
「なっちゃった、って」
「これ以上素敵になったら困っちゃう。今ですらドキドキしっぱなしなのに」
「じゃあ、もっと困ってもらおう」
そう言ってオレはもう一度にキスをした。
また、二人で幸せに沈んでいく。
これからもずっと
15.10.31
10月は今年も氷室祭り!
感想もらえるとやる気出ます!
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