「私死ぬかもしんない」 そう言ったらユキは私の携帯についてたゲームをやりながら「死ねば?」と言ってきた。ちょっと、もう少し反応してくれてもいいんじゃないの? 「クールね」 「そりゃ、お前ピンピンしてんじゃん。死にそうには見えねーぜ?」 「だって病気で死にそうってわけじゃないもん」 「じゃあ何で?」 「ユキが好きすぎて死ぬかも」 ユキがぷっ、と笑うと携帯にゲームオーバーの文字が見えた。 「てめ、ゲームオーバーになっちまったじぇねえか」 「そっちこそよくも笑ったわね」 私は本気なんだけど、と言うとユキはさらに笑いを加速させた。本当失礼だなこいつ。 「あー、おもしれぇ」 「あんまり笑うなら携帯返して」 ユキの手の中にある携帯に手を伸ばしたけど、その手を逆に掴まれた。 痛い、というより前にユキの目を見てしまった。私はこの目に弱いんだ。目が合うと、もう何も言えなくなる。怖い、けれど、どうしようもなく大好きな目。 「殺してやるよ」 いつの間にか私の上に乗っているユキはそう言って、私の首筋にキスをした。 ああ、本当にこのまま死んじゃうかも。 クライン 07.12.06 |