1月1日、特に何かが変わったわけでなく年を越して、そのまま寝て、いつものように起きる。
リビングに行けば昨日と同じように母さんや妹がいると思ったら、

「あ、深司、おっはよー」
「…なんでがいるんだよ…」

そこにはコタツに入った幼馴染のの姿。遠慮というものが感じられない辺りらしい。
しかも「遠慮しないで座んなさいよ」とまで言ってくる。ここ俺の家なんだけど。

「2009年ですよ深司くん」
「それが何?」
「わー、相変わらず冷めてるねー」
「それ、俺の誕生日にも言わなかった?」

確か去年の俺の誕生日、「14歳になっても何も変わらない」と言ったらにさっきと同じことを言われた。
俺もも、何ひとつ変わってないってことか。

「なんていうかさ、面白いよね。みんな4月10日が11日になっても何も思わないのに、12月31日が1月1日になるとすっごく盛り上がるんだよ。変なの。」
も盛り上がってるけどね」
「だってせっかく盛り上がれるネタがあるんだから盛り上がらないほうが損じゃない?」
「さすがお祭り女…」

なんでただ日をまたいだだけで喜べるのかな。俺にはまったく理解できない。
だって変わったことなんて、2008年が2009年になったこと、平成20年が平成21年になったこと、それだけじゃないか。

「そういえば、は何か変わったの?2009年になって」
「変わるわけないじゃん」
「やっぱりそんなもんでしょ…冷めてるのはも一緒じゃないか…」
「まあねー。人間、たかが年が変わっただけじゃ変われないんだねえ」
「そんなことで変われるなら苦労しないしね…」
「本当だね」

は笑いながらみかんを頬張る。相変わらずみかん好きだな…。

「あ」
「…今度は何?」
「今年もよろしく」

去年と変わらず、ね。はそう付け足してにっこり微笑んだ。
そんな姿を見て、来年も同じ事を繰り返しそうだな、と思った。

まあ、それはそれで悪くないか。










無限ループ
09.01.02





今年もよろしくお願いします!
そしてまさかの一年二ヶ月かけての続き物になってしまった。