ケーキを食べ終えて、辰也の淹れてくれた紅茶を飲む。
甘さもちょうど良くて、至れり尽くせりだ。
「おいしい?」
「うん。ありがと」
ごろんと辰也の胸に自分の体を預ける。
辰也の腕の中は温かい。溶けてしまいそうなぐらいに。
「」
「ん…」
辰也は私の頬を撫でる。
優しく撫でられると、少しくすぐったい。
辰也は私を抱き上げると優しくベッドに寝かせる。
何度かキスを落とすと、辰也は服を脱いだ。
心臓がドクンと跳ねる。
辰也が服を脱ぐ様は、なんというのだろう、とても色気があって、いつもドキドキしてしまう。
「」
辰也は私の服に手を掛ける。
丁寧に、でも手早く、私の服を脱がしていく。
「可愛い」
私の下着に触れると、口元に笑みを浮かべながらそう言う。
「初めて見るな。可愛いよ」
「う、うん…」
ぽっと顔が赤くなるのを感じる。
褒めてもらえるのは嬉しいし、気付いてもらえるのも嬉しいんだけど、やっぱりどうにも恥ずかしい。
「こっちも」
「きゃっ!」
辰也は私の右足を掴んでぐっと持ち上げる。
そのままじっと見つめられて、頭がパンクしそうだ。
「このままも可愛いけど脱いじゃおうか。下着が濡れちゃうし」
「あっ!」
辰也はするりとブラジャーもショーツを取り払ってしまう。
私も辰也も完全に裸の状態だ。
何度も肌を合わせてきたのに、何で私はこうも気恥ずかしくなってしまうんだろう。
「た、辰也…」
「」
辰也は私の名前を呼ぶと、胸にそっとキスをする。
そのキスが段々下へ下がっていって、ついに下腹部に達する。
「あっ!」
辰也の舌が私の太ももをなぞる。
ビクンと体を跳ねさせると、辰也は妖しく笑う。
「ん、ん…っ」
辰也は肝心なところに中々触れてくれない。
太ももを撫でまわして、赤い痕をつけて、私を焦らす。
「辰也…っ」
涙目で見つめると、今度は優しく笑いかけてくれる。
どこか張りつめていた心が一瞬にして溶けてしまう。
私は辰也のこの表情が大好きなんだ。
「可愛いね」
「あっ!」
辰也は私の秘部をなぞる。
何度か上下に往復させた後、人差し指を一本だけ入れてくる。
「あっ、あっやあ…っ!」
辰也の指が私の秘部で蠢く。
私の弱いところばかりを攻められて、声が止まらない。
「あっ、辰也っ!」
「可愛い」
「あ、待って…っ!」
「待たない」
辰也は私に休む暇など与えない。
もう一本増やされた指が絶え間なく動く。
「あっ、だって、あっ、ダメ…っ」
「ダメ?いいの間違いだろ」
「ああ…っ!」
辰也は私の体を半回転させて、四つん這いの格好にさせる。
トロリと自分の愛液が太股に伝う。
「すごく濡れてる。可愛いね」
「ひゃあ、あっ」
辰也は優しく太ももに触れる。
いやらしく動く手に、どうしても声が漏れてしまう。
「あっ、あ…っ」
「ここ?」
「あっ!」
辰也は秘部に触れると、指を小さく上下に動かす。
辰也の顔は私からは見えないけど、恐らく怪しい笑みを浮かべているんだろう。
「あっ、や、あっ!」
辰也の指が陰核に触れると、意識が飛ぶような快感が全身を走る。
ぎゅっとシーツを握って快感に耐えようとするけど、辰也はお構いなしに愛撫を続ける。
「や、あっ、イっちゃう、やあっ」
「いいよ、イって」
「ふあ、あっ、ああ…っ!」
辰也の指にあっけなくイかされてしまう。
力が抜けて、ぺたんとベッドにうつぶせでへたり込んでしまう。
「」
「ん…」
辰也が顔を近付けるので、キスをしようと振り返る。
キスを繰り返しながら、体を反転させて仰向けの状態になる。
辰也の背中に手を回してぎゅっと抱き付くと、幸福感に満ちていく。
「あ…っ」
辰也の唇が首に触れる。
ゆっくりゆっくり下がっていって、胸元に赤い痕をつけられる。
「や、あっ!」
辰也の指が再び私の秘部に触れる。
胸の先端を舌で弄られながら、辰也の指は中に入ってくる。
「あっ、辰也…っ!」
辰也は優しく愛撫を続けてくる。
あまりたくさん触られ続けると、頭がおかしくなりそうだ。
「あっ、あっ」
「…」
「辰也、あっ!」
「ま、待っ、て…!」
「ダメ」
ふるふると首を横に振っても辰也はやめてくれない。
弱いところばかり攻められて、さっき達したばかりなのに、もうイってしまいそうだ。
「んん、あっ、あっ、辰也…っ!」
辰也は私が一番感じるところを、一番感じる触れ方で弄ぶ。
私だって知らない、辰也だけが知っている愛し方。
私はあっけなく再び達してしまった。
「あ、はあ…」
空気が足りない。肩で息をすると、辰也は頬にキスをする。
私を労るように、頭をよしよしと撫でられて胸に甘いときめきが走る。
この人は、私のことを本当に愛してくれているんだと、大切にしてくれているんだと実感する。
「辰也…」
息が整ってきたところで、今度は唇にキスされる。
ついばむようなキスから、だんだん深いものに変わっていく。
「」
「ん…」
「いっぱい気持ちよくしてあげる」
そう言われて、私は初めて辰也の意図に気付いた。
「辰也…」
ぎゅっと辰也の腕を握る。
辰也は優しい顔で私の言葉を待ってくれる。
「私、一緒がいい…。辰也と一緒に、気持ちよくなりたい」
少し照れながらも、自分の思いを辰也に告げる。
多分、辰也は私の誕生日だから、私をたくさん気持ちよくしようとしてくれたのだろう。
そういうふうに思ってくれるのはすごく嬉しい。
あの優しい触れ方からして、決して「相手を気持ちよくさせる自分に酔っている」わけではないこともわかる。
辰也の気持ちは痛いほどにわかる。
私を大切に思ってくれていることも、私を好きだと思ってくれていることも。
だけどやっぱり、私は辰也と二人で気持ちよくなりたい。
私も辰也のことが大好きだから。
「」
「ん…」
「どうしてそんなに可愛いの?」
「えっ」
辰也はこつんとおでこを合わせてくる。
彼の頬が先ほどより少し赤くなっているのは気のせいじゃないだろう。
「可愛い。すごく可愛い」
「あの、辰也」
「大好きだよ」
辰也にぎゅっと抱きしめられる。少し苦しいぐらいに。
私も強く辰也を抱きしめ返した。
「私も大好き」
そう言うと辰也の顔が綻ぶ。
大好きな人が、私の言葉でこんなにも喜んでくれる。
すごくすごく、幸せなことだと思うよ。
「一緒に気持ちよくなろう」
「うん」
どちらからともなくキスをする。
辰也は枕元にある避妊具をつけて、それを私の秘部に押し当てる。
「…」
「ん…っ」
辰也は少しずつ私の中に入ってくる。
ビクビク体を震わせると、辰也が柔らかく頬を撫でてくれる。
「あ…っ」
「動くよ」
「ん、あっ!」
辰也が緩やかに律動を始める。
少しずつ私の中を慣らしていくように、ゆっくりと。
すでにほぐれきった私の中は、辰也をあっさり受け入れている。
「あっ、辰也…っ、んっ」
「…」
縋りつくように辰也に抱き付くと、辰也も抱きしめ返してくれる。
抱きしめあって肌と肌をぴったりくっつけて、本当に一つになっているようだ。
「、気持ちいい…?」
いつもみたいな意地悪な聞き方じゃない。
優しい声で、優しい表情で聞いてくる。
そんな表情に、胸がときめいて仕方ない。
「あっ、うん…っ、気持ちいいの…っ」
素直に答えると、涙で霞んだ視界に笑う辰也の表情が微かに見える。
キスがしたい。辰也ともっと全身で繋がりたい。
そう思ってキスをすると、もっと激しいキスが返ってくる。
「た、辰也、あっ、気持ち、いい…?」
喘ぎ声の隙間に必死に言葉を紡ぐ。
私だけじゃだめなんだ。
一緒がいい。
それが何よりの、誕生日プレゼントだ。
「気持ちいいよ。の中、すごく…」
「あっ、辰也…っ」
耳元で囁かれると、心を直接掴まれたような気持ちになる。
きゅんと胸が締め付けられて、温かい気持ちになって、幸福感でいっぱいだ。
「あっ、あっ、も、いっちゃ…!」
「オレも…っ」
ぎゅっとより一層力を込めて辰也に抱き付く。
目の前が真っ白になって、本日何度目かもうわからない絶頂を迎えた私は、全身の力が抜けてベッドに沈み込んだ。
「…」
「辰也」
辰也は私を労わるように頭を撫でてくれる。
情事の後の、余韻のあるこの優しい空間が、私は大好き。
「、誕生日おめでとう」
そう言って辰也は優しいキスを落としてくれる。
嬉しくなって、また辰也に抱き付いた。
ハッピーバースデー/後編
14.12.05
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