次の授業が面倒で(まあ授業はいつも面倒だが)屋上でサボろうとドアを開けた瞬間本気で後悔した。パシーン、と綺麗な音が屋上に響く。おお、見事な平手打ちだ。いや、そんなこと思ってる場合じゃねえ。 つまりはまあ、こりゃ男と女がケンカしてんだな。ケンカっつーより修羅場か?しかも女のほうはじゃねえか、うちのクラスの。の彼氏はC組の山田だか山口だか山本だかよくわかんねーけどとりあえず山がつくやつだった気がする。そうか、あれが山なんとかくんか。 平手打ちから1拍置いて、山田(もうこいつの名前山田でいーや)は出口のほうへ。って出口ってオレのほうじゃねーか!いくらなんでもやべえと思ったけどもちろん隠れる場所なんかない。二人はオレに気付いて驚いた顔をしたが山田は小さい舌打ちをして階段を下りていった。それに続いてもこっちに来る。うわ、オレにも平手打ち来るか!?と思ったけど「ちょっと聞いてよ!」とオレのシャツを掴んできた。 「あいつ酷いんだよ!最悪なんだよ!」 「お前、ちょ、離せ!シャツ伸びるっつーの!」 あの男ったらねえ!とオレのシャツを掴んだまま話を続ける。もしもしオレの声聞こえてますか? 「浮気してたのよ浮気!年上のおねーさまと!」 「いや、だからシャツ離せって」 「こんな貧乳よりFカップのがいいとか言いやがって!どーせ私は胸ちっちゃいわよ!」 まあ胸はでかいほうがいいな、とか思ったけどさすがに口にしなかった。普段からデリカシーがないとか言われるけど、いくらなんでもこの場で「オレだってサイズよりFカップ取る」とは言えねえ。 「男なんてみんなおっぱい星人なんだから!」 は言いたいこと言って、最後にそう叫んで仕上げにオレのシャツでチーンと鼻をかんだ。 「おま…!何すんだ!」 「あーすっきりした」 「人のシャツで鼻かんどいてすっきりはねーだろ!」 「話聞いてくれてありがと!あんた意外といいやつなんだね!」 「お前は意外と人の話聞かねえんだな」 じゃ、私教室戻るから! そう言って颯爽とは去っていった。 ああ、女って本当わかんねえ。 07.11.28 初めて書いたおお振りがこんな話で本気で自分がわからなくなりました。 |