「はー」

お風呂から上がって、髪の毛を拭きながら一息ついた。

「ちゃんとお風呂止めた?」
「うん」

そう言ってソファに座る辰也の隣に座った。
辰也は私の肩に頭を置いて、頬を擦り付けるような仕草をする。

「猫みたい」
「猫?」
「猫ってお風呂上りにすり寄って来るんでしょ?飼ったことないからあんまり詳しくないけど」

そう話しながら辰也の頭を撫でてみる。
辰也は少し目を細めて、本当に猫みたい。

「元々ちょっと猫っぽいよね、辰也」
「そうかな」
「うん、なんとなく」

普段はどちらかというとかっこいいイメージだけど、こうやって二人きりになると甘えてきたりするところとか。
ちょっと可愛いな、なんて思ったり。

「猫がお風呂上りにすり寄るのって、どうしてか知ってる?」
「?いい匂いするからじゃないの?」
「いや。お風呂入っちゃうと、猫の匂い落ちちゃうだろ。だから、自分の匂いを付けるために寄って来るんだって」

辰也はそう言うと、私の唇にキスをした。

「オレの匂い、しなくなっちゃったな」

辰也が薄く笑うから、私は顔を赤くする。
そんな私の様子を見て、辰也はまた楽しそうに笑ってキスをした。

「た、辰也」
「んー?」
「髪、乾かさないと風邪引いちゃう」
「じゃあ、早く乾かしちゃおう」

辰也はちょっと乱暴な手つきで私の頭をタオルでくしゃくしゃにする。
こうやってちょっとイタズラっぽいところも、猫みたいだよ。

「辰也」
「んー?」
「…早く、乾かしてね」
「了解」

辰也は薄く笑ってそう言った。
だって、私も辰也のにおいでいっぱいにしてほしいから。









しるし
13.03.26

猫の日に思いついた話です
私は10対0で猫派です!!

話書くとき明言しなくても原作通り普通の高校生のイメージで書いてますが
この話どう考えても一緒に住んでますね





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