「榛名、榛名ってば」 「…んあ?」 ぐらぐら、と揺すられる感覚と、の声で意識が段々はっきりしてくる。ん?つーかオレ寝てたのか? 「起きた?」 「あ、…あー…うん…起きた?」 「もうホームルーム終わったけど」 …そうだ、えーと、6時間目が10分くらい過ぎたときからうつらうつらし出して、それで、あの時間は全部寝てたってことか。 ホームルームが終わったってことは、つまりだ、えーと、ダメだまだ頭がボーっとしてる。 「部活行かなくていいの?」 「そうだ!部活だ!」 「部活」という単語でオレのやっと覚醒した。 ホームルーム終了=部活に行けるというのが、オレが唯一覚えてる方程式。 「、いつもサンキュ!」 「いえいえ」 はオレの前の席ということもあり、授業中とかいろんなときに起こしてくれる。 こいつがいなかったら何度職員室に呼び出しをくらっていたことか。 「榛名って、本当に野球好きなんだね」 オレが慌ててシャーペンとか机に出ていたものを鞄に詰めるのを見ていたは、ぽつりとそう呟いた。 「そりゃ、なあ。好きじゃなきゃ野球部なんか入んねーし」 「もしかしてプロとかなりたいの?」 「おお!あったりまえだろ!野球少年は必ず見る夢だ」 「へー、じゃあ握手してよ」 「は?」 そう言っては右手を出した。の思考回路はどうなってんだ? 「だって榛名がプロになって有名になったら、私あの人と握手したんだよーって自慢できるじゃん」 いや、そりゃそうだろうけどよ、普通握手より「あの人とクラスメイトだった」ていうほうが自慢できねーか? 何をいきなり握手だなんて言ってんだ。しかも握手するなら右手より左手にしとけよ! それにな、、握手よりクラスメイトよりもっと自慢できることがあるぞ! 「ということで、握手」 「握手よりもっと自慢できることがあんだけどそっちはどうだ?」 「え?何、サインとか?」 「オレと付き合えば一番の自慢になる!」 真剣な顔で言ったけど、は一瞬目を丸くした後すぐにふ、と笑った。 「榛名がプロになったら考えてあげる」 それだけ言うとオレの右手を引っ張って握手させた。 プロになってからじゃ、遅いに決まってんだろ。ちくしょうプロになる前に惚れさせてやる! サンシャインスター 08.02.07 赤也で似たようなの書いた記憶 が … |