苦しいくらい何度もキスをされるけど、チョコの代わりと言われれば私は拒めない。
辰也のキスを静かに受け入れていると、くるりと世界が反転した。

「え…」

私の視線の先には辰也の顔と辰也の部屋の天井。
背中には柔らかいベッドの感触。

「あ、あのー、氷室さん」
「ん?」
「やっぱり、キスじゃチョコの代わりになりませんか…」
「そんなことないよ。すごくおいしかった。ありがとう」

じゃあ、この状態は一体…。

「3倍返しは来月のはずでは…」
「お返しとか、チョコの代わりとか、そんなつもりじゃないよ。それとも、嫌?」
「わっ!?」

私の返事を聞く前に辰也は私の服を脱がしていく。

「ちょ、ちょっと待…っ」

首筋を吸い上げられて、息を飲み込む。
ここまできたら、もう、何を言ってもダメだ。

「あっ…」

胸を強く揉まれて、声が出てしまう。
もう片方の手は足の間にするりと入っていく。

「待っ…ああっ!」

下着の隙間を割って辰也の指が秘部に触れる。
表面をなぞられると、そこがじんわり濡れはじめる。

「辰也…っ」
「こんな日にしないなんて、冗談だろ?」
「やあ…っ」

辰也は下着を脱がせると、濡れはじめたソコに舌を這わせた。

「あっ、やあ…!」

ゾクゾクするような刺激に思わず背中を仰け反らせる。
少し固くした舌を穴に差し込まれて、シーツを強く握った。

「た、辰也、ん、ああっ!」
「すごいね、大洪水だ」
「あっ!ひゃ、やあ…っ」

辰也は再びソコに指を這わせる。
すっかり濡れたソコは、あっさり指を受け入れてしまう。

「あっ、ん、ああっ…!」
、嫌?」
「え…、ああっ!」

辰也は指でナカをかき回しながら、舌で舐るのも止めない。
ちゅ、とソコを吸い上げられれば、腰が跳ねる。
嫌なんて、そんなの。

「ねえ、まだ嫌?」
「…っあ、…んなの…」
「ん?」

辰也はぐしょぐしょに濡れたソコを舐りながら、そんなことを聞いてくる。
こんなにしておいて、嫌か聞いてくるなんて。

「ふ、あっ、やあ…っ」
「どう?」
「あっ!?や、そこダメ、ああっ…!」

陰核を甘噛みされると、あまりの刺激に思わず辰也の頭を掴んでしまう。
快感で頭がくらくらする。

「あ、はあ…っ、あ、ん、ああっ…」
「答えてくれなきゃわからないよ?」
「…っ、ああっ、っん、あっ」

答えようにも、もう嬌声しか紡げない。
涙で目の前が歪んで、限界が近いと感じる。

「あっ、やあ…っ!」

辰也の頭を掴む手を一層強くすると、辰也は指を抜いて口も離してしまう。

「…っ、な、なんで」
「ん?だって答えてくれないから、嫌なのかなって」
「…っ」
「どうしたの?」

辰也は意地の悪い笑みを浮かべて囁いた。
秘部はもう疼いてしまって、欲しいと叫んでいる。

「…た、辰也」
「うん」
「…嫌じゃ、ないから…」
「それだけ?」
「…っ!」

羞恥で顔を背けると、辰也は私の顎を持って無理矢理正面に向けさせる。
視線が、逸らせない。



急かすように唇をなぞられて、私は目を細めて口を開いた。

「…辰也が、欲しいの…っ」

必死にそう言うと、辰也は楽しそうに笑って、私を抱えたまま起きあがる。
そのまま座位の体勢で、辰也自身と私の秘部を擦り合わせる。

「ひゃ、あ…」
「欲しいなら、ちゃんと自分で挿れないと」
「あ、…っ」

恐る恐る腰を下ろしていく。
くちゅりと水音が響いて、辰也の先が私のソコに入ってくる。

「あっ…、も、む、無理…」
「じゃあ、このままでいいの?」
「…っ」

辰也は意地の悪い声で「ほら、早く」なんて囁いてくる。
私の腰を支える手が、いやらしく動き始めて、思わず声を上げた。

「ん…っ」

もう、ダメだ。
私は少しずつ、辰也を飲み込んでいった。

「や、あっ、ああっ…」
「うん、そう…その調子」
「…は、あっ、…っ」

ようやく全部収めきって、息を吐く。
自重で辰也がより深く入ってきて、思わずぎゅっと目を瞑った。

「可愛いね」

辰也は私の唇にキスをすると、私のナカを犯し始める。

「あっ!ああっ、や、あっ!」

下からの突き上げに、耐えきれず辰也に抱き着いた。
挿れられたばかりなのに、もうおかしくなりそうだ。

「た、つや、ああっ、あっ!」
、好きだよ、その顔すごく可愛い」
「あっ、やあっ、あ…っ!」

瞑った目から涙が流れる。
辰也はその涙を舐めとって、キスをする。

「ふ、ん…っ!」
「ん…」

上からも下からもいやらしい水音を響かせて、繋がりを深くしていく。
快感で頭が真っ白になっていく。

「あっ、辰也…っ」
…」

ぎゅっと抱きしめられて、耳元で名前を呼ばれると胸の奥が熱くなる。
好きな人に名前を呼ばれると、こんなに嬉しくなるのはなんでだろう。

ああ、やっぱりちゃんとチョコレートをあげたかった。
辰也のために作ったものを食べて欲しかった。
きっと、すごく喜んでくれただろう。

「辰也、あっ、すきだよ…っ」
「オレもだよ」
「ん、…っ」

今度は私からキスをする。
辰也みたいにうまくないけど、必死に舌を絡めて、少しでも感じてくれるように。

「好き、だよ…っ、あっ、辰也…っ」
「うん、オレもが好きだよ」
「やあ…っ、あっ、ダメ…っ」
「ダメなの?ここはこんなに気持ちいいって言ってるのに」

辰也はそう言うとソコに指を這わせる。
自分でもそこが震えるのがわかる。

「あっ、ダメっ、やあ…!」
「…じゃあ、やめる?」
「あっ、嫌、やめないで…っ」

思わず首を振ると、辰也はまたキスをする。
何度も何度もキスをして、感覚が飛びそうになる。

「あっ、ああ…っ!辰也…っ!もう…っ」

もうすぐそこまで絶頂が近付いているのを感じる。
辰也の体をより一層強く抱きしめた。

「あっ、も、イっちゃう…!」
…っ」
「あ、ああっ…!」

目の前が弾けて、がくんと体の力が抜ける。
辰也の体に寄りかかって、少しずつ息を整える。






「…ん」
「ホワイトデー、楽しみにしてるね」
「…え?」

ホワイトデーって、お返しされるのは私なんだから、「楽しみにしててね」っていうのが正しいんじゃないか。

「だって、バレンタインに愛を伝えるのが女の子だけなんて、おかしいだろ」
「え、ま、まあ…」

そういえばアメリカだとバレンタインって男女関係なかったりするんだっけ…

「だからね、今精一杯愛を伝えたつもりなんだ」
「え、あの…」
「来月の3倍返し期待してるよ」

辰也はにっこり笑ってそう言った。
一方私はすーっと血の気が引いて行く。

「…え、ええ?3倍?今の3倍?」
「うん」
「え、む、無理」
「…ダメ?」
「う」

辰也は切なげな声で、寂しそうな表情をしてみせる。
おまけに「オレ、頑張ったんだけど…」なんて言ってくる。
何を頑張ったって言うんだ、何を。
心の中で突っ込むけど、辰也が私を優しく撫でるものだから、ついうっかり頷いてしまう。

「善処します…」
「うん、嬉しいな」

一ヶ月後、私はどうなってしまうんでしょう…。











楽しみにしてるよ
13.02.14

最初に氷室が「バレンタインのプレゼント」って言い出さずに事を始めたのは
「お返しできないから無理!」と言って断わられないようにするためです
あざとい氷室が好きです







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