「あれ、これどうしたの?」
辰也の部屋のテーブルの上。
懐かしいパンダのぬいぐるみが乗っている。
お茶のCMのやつだ。
「お茶買ったらもらったんだよ」
「へ〜懐かしいね」
「?」
あ、そうか。辰也は知らないか…。
「昔ね、こういうCMがあったんだよ」
ぬいぐるみを持って、パンダの口と辰也の唇を合わせる。
懐かしいCMだ。
「奪っちゃった〜」
そう言ってふふ、と笑って見せる。
可愛らしいCMだ。
「?辰也?」
辰也はなぜか固まっている。
どうしたんだろう。
「たつ…わっ!?」
下から辰也の顔を覗き込むと、いきなり辰也が私を押し倒してくる。
え、ええ!?
「な、なに!?」
「可愛い…」
「え!?」
「すごく可愛い。奪われちゃった」
「い、いや、CMの真似しただけで…」
「うん、可愛い」
辰也はぎゅっと私を抱きしめる。
く、苦しい…。
「た、辰也」
「可愛いけど、奪われっぱなしは癪なんだ」
「え」
「奪っちゃうね」
あ、これ、大変なことになる。
奪われるのは唇じゃ済まない。絶対。
奪っちゃうね
13.10.29
某お茶のCMネタ
氷室は奪われちゃったらめちゃくちゃ喜んで奪い返してきそうですね
唇を奪ったらもっと大切なものが奪われました…的な
微妙に親父臭くてごめんなさい
感想もらえるとやる気出ます!
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