「、お腹空いた」
「…はいはい」
夜中にいきなりやってきたと思えばユキはお腹空いただのこの部屋暑いだの文句だらけ
それでも私は、はいはいと言ってご飯を作って、クーラーの設定温度を下げる
我ながら何やってるんだろうと思うけど、ついつい言われたとおりにしてしまう
「…ユキ?」
何か作れるものがないかと冷蔵庫を開けたとき、後ろからぎゅう、とユキが抱きついてきた
ユキの髪が私の頬をくすぐる
「…お腹空いたんじゃないの?」
「暑いから」
「冷蔵庫開けっ放しにすると電気代もったいないからやめて」
冷蔵庫のドアを閉めようとするけれど、ユキがドアを掴んで離さない
「ユキ、離して」
「暑いのやだ」
「さっきクーラー下げたじゃん」
「まだ暑い」
「ユキ、」
言葉の途中で唇をユキのそれによって塞がれる
またユキ、と言おうとするけど今度は体ごとユキのほうを向かされる
冷蔵庫とユキの間で、身動きが取れない
ユキの顔が目の前に、だんだん、近づいてきて、また
冷蔵庫からのひんやりした空気を感じるたびに、ドアを閉めなきゃと思うけれど、ユキがそれを止めて結局開けたまま
いつもどおり、私はユキのわがままを聞いている
たとえどんな夜中でもユキが来れば私は起きて彼を迎える
たとえご飯を食べた直後だろうとユキがお腹空いたと言えばご飯を作る
だって私はユキを好きだから、どんなわがままだって聞いてしまう
ユキ、ユキ、ユキ 大好きよ
ねぇユキは私のこと好き?
そう聞いたっていつもユキは笑うだけでちゃんと答えてくれない
そのたび胸が締め付けられて、とても、切なくつらくなるのに
ユキ、私のこと好き?
たとえ答えてくれなくても、私はユキのことが好きよ
世界で一番大好きよ
07.08.24
末っ子だしユキはわがままかなぁ、と
ユキのわがままだったら何だって聞いちゃうよ
題名と内容が合ってない感がありますが
パステルカラーで 淡い恋 みたいな意味で…お願いします