日曜日、シャーペンの芯がなくなってしまったのでコンビニへ。
「あれ、白石」
「おお、やん」
コンビニに入るとクラスメイトの白石が。
白石はレジ袋を持っているからもう買い物は済ませたようだ。
「、何買うん?」
「シャー芯なくなっちゃって。白石は何買ったの?」
「チョコ。急に甘いもん食べたなって」
白石はそう言うとレジ袋の中身を見せる。
「あ、このチョコおいしいよね」
「へえ。一緒に食おか」
「え?いいの?」
「一人で食べるには多いしなあ」
おお!なんというダブルラッキー。
「じゃあ、ちょっと待ってて。すぐ買ってくるから」
「ああ」
早足で文具コーナーに行って、いつものシャー芯を手に取ってレジへ。
休みの日に白石に会えるだけで嬉しいのに、チョコ分け合いっことか、すごく嬉しい。
「お、お待たせ」
会計を済ませ、急いでコンビニの外で待っている白石の元へ。
「急がんでもええのに。そない食べたかったん?」
「え、あ、まあ」
急いでた理由は、それじゃないんだけど。
照れを隠すために、右手で前髪を弄る。
「んじゃ、お待ちかねのチョコや」
「あ、ありがとう」
白石がチョコを差し出すので、それを一粒もらう。
…うん、甘くておいしい。
「もういらんの?」
「え、だって、白石のだし」
一粒食べると、白石がそう言ってくる。
いくら食べてもいいと言われても、あくまで白石のもの。食べるのはちょっと遠慮してしまう。
「別にええのに」
「いやいや」
そう言って白石はチョコを袋にしまう。
その手で、ポケットから携帯を取り出した。
「なあなあ、」
「なに?」
「アドレス教えてくれへん?」
「えっ?」
あ、アドレス!?
「去年から同じクラスやのに知らへんからなあ」
「あ、うん。ちょっと待って!」
慌てて鞄から携帯を取り出す。
すごい、トリプルラッキーだ…!
「送ったで」
「うん、ありがとう」
そう言って白石のアドレスを見る。
…ん?
「ねえ、白石…」
「んー?」
「誕生日、もしかして」
「今日やけど」
や、やっぱり…!
アドレスには「414」という数字が入っていた。
まさかと思ったら、本当に…!
「ご、ごめん」
「?何謝ってるん?」
「だって、誕生日なのにプレゼントあげるどころかチョコもらっちゃうし…」
ただシャー芯を買いに来ただけなので持ってるのは財布と携帯だけ。
財布もお小遣い前でお金はほとんど入っていない。
「ごめんね」
「ええねん。結構なもんもらったからなあ」
「?」
「のアドレス」
そう言うと白石は携帯を振って見せる。
「そんなのでいいの?」
「そんなんてなあ。ずっと知りたかったんやで」
「え?」
「アドレス、おおきになあ」
そう言われて、思わず顔が赤くなる。
…アドレス欲しかったって、いいものもらったって。
それは、期待してもいいんだろうか。
xxx@xxx
13.04.14
ハッピーバースデ〜!
感想もらえるとやる気出ます!
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