「……」
「……」
部活のない学校帰り。
私と宮地は、宮地の部屋でDVDを見ている。
なかなか感動ものの映画だ。
「…あれ」
ふと隣に座る宮地に目をやると、眠ってしまっている。
…まあ、確かにこの映画見たいと言ったのは私の方で、宮地は大して興味があったわけではないだろうし、仕方ない。
「…もう」
うるさいタイプの映画じゃないけど、起こしたら悪いなと思って停止ボタンを押した。
部活にテスト、宮地も疲れているんだろう。
そっとしておこう。
「よ、っと」
宮地の布団から掛け布団を持ってくる。
起こさないよう、そっと宮地に掛けた。
「……」
宮地の顔を、じっと見てみる。
普段はあまり見ないから。
恋人同士になっても、なんだか照れくさくて。
…でもまあ、やっぱり、好きな人だ。
かっこいいと思ったり、少しだけ、ね。
「……」
…いつも意地張ってばっかりだけど、たまには、素直になったり、とか。
そういうことを、してみようかな、と。
「……」
眠っている宮地に、キスをした。
………。
「……あー……」
自分でやっておいて、恥ずかしい。
恥ずかしいけど、恥ずかしいけど、なんていうか、その。
胸が、痛い。
「……」
体育座りになって顔を膝に埋める。
私のバカ…。
何してるんだ。ほんとに。
胸が、ドキドキ言ってる。苦しい。
苦しいけど、心地いい。
「…ね、寝よう…」
そうだ、私も寝よう。
眠いからこんなバカなこと考えるだ!
寝よう!おやすみなさい!
*
「……何考えてんだこいつ」
とDVDを見ている最中、うっかり寝てしまった。
気付いたらがオレに毛布を掛けていてくれたところだ。
起きねえと、と思ったけど、半分寝てるぐらいの意識だったし、毛布もありがたいのでやっぱそのまま寝ることにした。
したら、いきなりがキスをしてきた。
「…っ」
起き上がりそうになったのを必死でこらえる。
いや、なんだよ、ありえねえだろ、いきなり。
一応恋人同士と言う関係だけど、今までそういう雰囲気になったのは、付き合うことになったときぐらい。
あとはいいとこ手を繋いで帰るぐらいで、あとはいつも色気のない言い合いばかり。
なのに、なんだいきなり。
いきなりキスしてきて、しかも、無防備に隣で寝やがって。
「…マジで襲うぞ」
ありえねえだろ。男と二人っきりで寝るとか。
…信頼されてんのか、それとも、なんつーだ、オッケー的な…。
いや、多分なんも考えてねえな。
「…はあ……」
大きくため息を吐く。
ほんと、ふざけんなよ。
毎日オレがどんな気持ちでいると思ってんだよ。ふざけんなよ。
本当、いろいろ、ふざけんなよ!
「…くそっ」
舌打ちをして、眠っているにキスをした。
寝込みをやんのは気が引けたけど、あっちもやってきたんだ。お互い様だ。
が少し動く。起きたわけじゃなさそうだ。
「…次寝たら、マジ覚えておけよ」
に毛布を掛けて、コーヒーを取りに行く。
ああ、もう、本当に。
くっそ、次寝たらマジで知んねーからな!
夢の中
13.12.17
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