「あ、見てこれ。昔の写真出てきたよ」

大晦日、大掃除でタンスを整理していたら、幼稚園の頃の写真が出てきた。
私と蔵の家族の写真だ。
私の蔵の手はしっかり繋がれている。

「懐かしいなあ」
「私めっちゃ笑っとるわ」

私と蔵は小さい時から…というか、生まれたときから隣に住んでいた。
幼稚園のころの思い出と言えば、蔵と遊んでいた思い出ばかり。

『わたし、おおきくなったら蔵とけっこんするー!』

そのころは、そんなことばかり言っていた。
恥ずかしげもなく、周りに蔵への思いをアピールしていた。

『おれもだいすきや』

蔵はいつもそう答えてくれた。
大好きだと言ってもらえるのが嬉しくて嬉しくて、毎日同じことばかり言っていた。


「……」
「どうしたん?」
「大好きやで」

笑ってそう言うと蔵も笑う。

「俺もやで」

いつまでも、変わらない。
そんな私たちの、ちょっとした思い出話。